2012年10月29日月曜日

維新に「期待」53%に上昇、第三極に関心高まる
                                                           

2012年10月26日金曜日

米・台・韓の「密約」に負けた日本のテレビメーカー

     アジアIT事情            日経2012/10/23 7:00

 「技術流出によって日本のテレビは負けた」「何でも自社で手掛ける垂直統合体制が悪かった」……。こうしたテレビ事業の敗因分析がいかに的外れで浅はかなものか、筆者はこれまでの連載で示すように努めてきました。



台湾・新北市のアムトラン本社が入居するビル。近所にテレビの大手EMS/ODM企業であるTPV Technology(冠捷科技)の台湾本社がある
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台湾・新北市のアムトラン本社が入居するビル。近所にテレビの大手EMS/ODM企業であるTPV Technology(冠捷科技)の台湾本社がある



 前回は、北米第2位のテレビメーカー、ビジオ(VIZIO)社と設計・製造受託企業の台湾・瑞軒科技(AmTRAN Technology、アムトラン)の緊密な協力関係に触れました。

 アムトランが製品のメーカー(売り手)に不利ともいえる取引ルール「VMI(Vendor Managed Inventory)」を許したり、物流や在庫管理を引き受けたりする裏には、設計・製造受託企業と最終製品を販売する企業の間の「情報の非対称性」を減らせるという見返りがある、という内容です。



 今回は、米国・台湾・韓国の企業が「サプライチェーン全体として勝つ」ことを目的に採っていた秘密の約束の存在を解説します。

 この密約は2010年末頃に終了しています。

 しかし、この種の約束(協力関係)を構築できなかった日本のテレビメーカー(ベンダー)が、いかに“世間知らず”で、サプライチェーン全体のことを考えていなかったかが分かるでしょう。もっと言えば、いかに独り善がりで事業展開していたかを示す良い証拠だと筆者は考えています。



■密約で値下げに応じる

 「ビジオは“損失補填”をしてもらっていた」(アムトランのライバル企業社員)。この話を2011年に初めて聞いた私は、「さもありなん」と思いました。自動車業界の一部で続いていたある慣習を知っていたからです。

 国内自動車メーカーの一部は、部品や素材のサプライヤーが一定の利益率以上もうけないように納入価格を調整します。上半期にもうけ過ぎたサプライヤーには、下半期において特に低い価格での納入を求める。これによって年間として「一定の利益率」を実現するわけです。

 アムトランとビジオは通常公開しない入金情報などを共有しています。この特別な間柄ならば「競合他社に勝つための特別値引き」も容易にできるなと思えましたが、同時に疑問もわきました。「テレビの市販価格の急落に翻弄されてアムトランもビジオも十分な利益を得られていない。誰が値引きの原資を提供するのか」という疑問です。

 それをアムトランのライバル企業の社員に聞くと、答えは明瞭でした。



 「韓国LGディスプレーだよ」。同社は、ビジオに大量の液晶パネルを提供しているメーンサプライヤーです。LGディスプレーは2010年までは利益をしっかりと出していました。そして黒字を多少減らしても、工場稼働率を安定的に高い水準に保ちたいという思惑もありした。LGディスプレーには韓国サムスン電子のように安定して大量の液晶パネルを買ってくれる上客がいなかったからです。



■トップ同士が決める



市販価格急落に向けて手を握っていた3社。日本のテレビメーカーは下段の通常ルートでのみで市販価格の下落に応じようとして失敗した
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市販価格急落に向けて手を握っていた3社。日本のテレビメーカーは下段の通常ルートでのみで市販価格の下落に応じようとして失敗した



 複数の取材の後、筆者は「ビジオのテレビの市販価格が、ある水準以上急落すると、LGディスプレーが一定の金額を値引きしてビジオやアムトランの損失を軽減するという口約束が、2010年末ころまであった」ことをほぼつかみました。この中で決定的だったのが、アムトラン社員の証言です。



 「あぁ『市価急落対応値引き』ね。あったよ。経営トップ同士が話し合って決めて、僕には決定事項として降りてきていた。LGディスプレー―アムトラン―ビジオは運命共同体みたいなもの。協力しなければ生き残れない。別にこの3社が特別だったというわけじゃない。台湾の液晶パネルメーカーである友達光電(AU Optronics)や奇美電子(Chimei Innolux)だって、大口顧客に対してやっていたそうだから」



 日本のテレビメーカーから注文を受けるEMS/ODM企業や液晶パネルメーカーの人にも、私は話を聞きましたが、日本企業に対する「市価急落対応値引き」は存在しなかったという証言だけが集まりました。

 その原因を、台湾の液晶パネルメーカーの社員はこう推定しました。「経営者同士の信頼関係が弱かったり、目標を共有できていなかったりしたからじゃないの……」

■謎の記述「Provision」

 LGディスプレーは上場企業なので決算書が公開されていますので、それを読み込んでみました。

 「市価急落対応値引き」が将来の値引きであると見なされていれば、負債として記述しなければならないからです。何かしらあるはずだと思いながら決算書を精査すると、それと思しき記述がありました。「Provision(引当金)」です。



米量販店に並ぶビジオのテレビ(カリフォルニア州)
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米量販店に並ぶビジオのテレビ(カリフォルニア州)



 Provisionには、世界各地の公正取引委員会が課すと予測される罰金やプロモーション費などが含まれると決算書には書かれています。

 LGディスプレーの同項目の総額は2009年末で3680億ウォン、2010年末で6435億ウォン。それぞれの総額は売上高比で1.8%、2.5%と巨大ではないものの、顧客の「損失を軽減する」という目的であれば十分な額にみえます。

 なおLGディスプレーからProvisionに関して、決算書以上の情報を得ることはできませんでした。



 上述の「市価急落対応値引き」は、液晶パネルメーカーが軒並み苦境に陥ったことで消滅しました。

 今後、液晶パネルに代わるどのサプライヤーが、市況悪化の際でも経営に壊滅的なダメージを与えないような仕組みを提供できるのか、もしくは、そうした役割を担ってもらうために自らが何を実行すべきかを、日本のテレビメーカーは素早く考えるべきでしょう。

 厳しくいえば、日本のテレビメーカーは、世界のテレビ業界におけるルールにあまりにも無知でした。基本的なルールすら把握せずに世界市場で戦えると簡単に考えていたフシすらあります。

 最後に、日本人なら「あこぎ(あくどい)」と口走ってしまうような取引がテレビ産業には存在することを指摘します。具体的には、EMS/ODM企業が買った液晶モジュールを、設計・製造の依頼主でないテレビメーカーに転売(横流し)するケースがあることです。

■パネルの転売・横流しで購買力をつける

 EMS/ODM企業はこれによって収益を得られるばかりか、液晶モジュールの購買力を維持・向上できます。一方、ソニーのように本来は強い購買力を持っている企業にとっては、その強みをそぎ取られる行為にほかなりません。



台湾・友達光電の液晶パネル工場
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台湾・友達光電の液晶パネル工場



 事例を示しましょう。例えばEMS/ODM企業のA社がソニー向けのテレビを作るために液晶モジュールを大量に買い付ける。液晶モジュールメーカーはその要求に応じて、高品質品を市場最安クラスの価格で納入します。しかし実際には、納入品の一部が中国のテレビメーカーに転売される。ソニーはその中国テレビメーカーと中国市場で競争するが、ソニーは固定費が重荷となり価格競争で中国企業に負けてしまう――。



 むろん転売で稼いでいるEMS/ODM企業は一部に限られます。しかし、こんな証言もあります。

 「大手のEMS/ODM企業もこうした取引に手を出しています。彼らは公式に問われれば否定するだろうけど、状況証拠はいっぱいある。大手EMS/ODM企業の一部に納入した商品を、中国のテレビメーカーが保有していて技術サポートを要求される、といった事態が当社ではよくあります」(台湾の液晶パネルメーカーの社員)



 転売行為を抑止するにはどうやら2つの方法しかなさそうです。

 第1はEMS/ODM企業の在庫を解消するためテレビメーカーがリベートを払うか、あるいは大きな注文を出すこと。第2は、テレビメーカーとEMS/ODM企業の経営者同士が目標を共有することです。これまで書いてきたように、日本のテレビメーカーには第2の方法が欠けています。



 テレビなどのAV機器や家電製品など民生機器産業において、世界最先端の技術はさほど重要ではありません。大抵の技術は模倣され2~3年で優位を失うからです。

 しかし経営者間の信頼関係は違います。行動次第では10年単位で優位をもたらします。ですから筆者は提案します。「自社オフィスに週に3日以上いた役員は問答無用でクビ」。こんなルールを運用してはいかがでしょうか。

 まず社外に出て、部品メーカーやEMS/ODM企業、販売店と徹底的に対話をする。日本の民生機器メーカーの復活は、こんな行動の変化から始まるはずです。

2012年10月24日水曜日

日本企業なしでは生きて行けない中国

日本企業の進出渇望する地域も 「一つでない中国」 広州支局 桑原健

2012/10/25 7:00
 沖縄県の尖閣諸島を巡る対立で「反日」一色に染まったかに見える中国。
だが、一皮むけば、多様な利害を持つ地域の集まりであることが見えてくる。
すでに地元経済の維持に日本企業が欠かせなくなった地域、
今なお日本企業の進出を渇望する地域など日本との関係を見ると事情はさまざまだ。

東日本大震災後に原発冷却作業用のポンプ車を提供した建機大手・三一重工の工場を訪れた丹羽大使(右前、2月、湖南省長沙市)
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東日本大震災後に原発冷却作業用のポンプ車を提供した建機大手・三一重工の工場を訪れた丹羽大使(右前、2月、湖南省長沙市)

 9月中旬、キヤノンやカシオ計算機など日系電機大手の工場で反日デモが広がった広東省中山市。
デモに参加した従業員たちからは賃上げ要求も飛び出した。
混乱を押さえ込んだのは市政府だ。
  企業に対し、賃上げ要求に応じることを一律に禁止。
デモなどを扇動した人物の告発に最高1000元(約1万2000円)の奨励金を支払うという通知も出した。

 同じ広東省の東莞市。「政治的に微妙な時期で、あまり大きな声では言えないが」――。
日本企業関係者によると、市政府の担当者はこう断ったうえで、
進出企業に「困ったことがあれば連絡してほしい」と声をかけているという。
税関での輸入手続きが遅れるなど各地での日本企業への逆風が吹きすさぶなかで、
進出企業への配慮を見せている。

 中山、東莞両市とも雇用や税収の維持に日本企業の活動が欠かせない地域だ。
中山市の工業の中心地である火炬開発区には、
従業員が数千人規模のキヤノンやカシオなど日本から48社が進出。
年間生産額が2000万元以上の工場のうち1割超を占める。
東莞市には日本企業約500社が進出し、輸出低迷に苦しむ地域経済を支える。
同市では香港や台湾の企業も工場を構えているが、
技術力や製品の付加価値は日本企業ほど高くはない。

 「日本側と工場労働者の技能標準を共通化できないだろうか」。
7月に東莞市政府を訪れた際、労働行政部門の幹部からこんな質問を受けた。
出稼ぎ労働者の供給源だった内陸の雇用拡大や若者の工場離れにより、
市内の工場は労働者確保に苦労している。
このため、市政府は技能を教える学校の新設などの供給拡大策に着手。
日本企業との間で必要な技能のイメージを共有できれば、人材供給が円滑になり、
より多くの企業を誘致できるというのが、この幹部の着想だった。

 経済発展で先行した東莞市などの広東省では、
人件費の上昇による労働集約型産業の競争力低下に直面。
先端技術の導入やサービス業の拡大など産業の高度化と構造転換で
日本企業への期待が大きい。
 これに対し、まずは幅広い日本企業に進出してほしいというのが東北部など
今後の成長を目指す地域だ。
すでに日中が緊張関係にあった9月上旬、
吉林省長春市では日本企業を招いた商談会が開かれた。
東北部のある地方政府は年内に日本で投資説明会を開けないか探っているという。

 「一つの中国」。中国が台湾などとの一体性を強調する時に使ってきた言葉だ。
だが、中国大陸だけを見ても、地域によって事情はさまざまだ。
日本との関係の深さが違えば、産業の発展段階や個人の所得水準も違う。
  北京市や上海市のように
1人当たりの域内総生産(GDP)が1万2000ドル(約96万円)を超えた都市があれば、
貴州省のように2000ドル台にとどまる地域もある。
13億人が住む広大な国土は、まさに「一つでない中国」だ。

 内陸の湖北省武漢市では2011年に1人当たりのGDPが1万ドルを突破した。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の天野真也・武漢事務所長は
「中国の都市では1万ドルを超えた段階で日本企業の商品が売れるようになる」と語る。
 同市では11年にファーストリテイリングのカジュアル衣料店「ユニクロ」と
良品計画の総合雑貨店「無印良品」が出店。
イオンは大型ショッピングセンター(SC)を展開する方針を固めた。
めざとい企業は中国の地方各地に訪れる変化を見落とさない。

 民間から異例の起用を受けた伊藤忠商事出身の丹羽宇一郎駐中国大使。
これまで2年あまりの任期中、コツコツと続けてきた活動がある。地方各地の訪問だ。
全土に33ある省などの行政区のうち、大使館のある北京市を含めて27カ所を訪れた。
各地で企業などの現場に赴き、地方指導者や学生とも交流した。
 尖閣問題を巡る発言が批判を浴び、近く退任するが、国と国の関係だけにとらわれず、
地方の実情を見て日本との関係を深めようとする姿勢は中国の現実に合ったものだった。

 9月の反日デモでは、地元に密着し地域経済に貢献してきたパナソニックの工場や
平和堂の店舗が襲撃される悲劇が起きた。
日本の企業が中国リスクをとらえ直し、
中国以外への進出などのリスク抑制策を探るのは当然の判断だ。
中国に背を向ける選択肢もあるだろう。
だが、中国を不可欠な市場と考え、関係の強化や新たな商機を探るなら、
改めて各地の事情に目をこらしてみてもよさそうだ。

2012年10月23日火曜日

反日デモで行き詰る中国経済

「日本外し」で冷え込む中国生産 反日デモ1カ月
入札締め出しや商談延期も

2012/10/20 0:01

 中国各地で「反日デモ」が発生してからおよそ1カ月が過ぎた。
足元でデモは収束し、暴徒に襲われた日系スーパーは営業を再開した。
だが中国の消費者や企業が日系企業の製品購入を敬遠する動きは続く。
日本企業を入札から締め出し、商談を延期する国有企業もある。
生産の停滞は続き、中国ビジネスの先行き不透明感が強まっている。
不買止まらず



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 日系小売店の利用や日本製品の購入を敬遠する風潮は収まっていない。大規模デモがあった成都市のイトーヨーカ堂店舗は販促活動を再開。売り上げは回復基調だが、前年水準にはまだ届かない。三越伊勢丹ホールディングスの天津市の店舗の売上高は10月も前年同期より20%少ない。

 デモで被害を受けた山東省青島市の「ジャスコ黄島ショッピングセンター」は1日から営業を順次再開。湖南省で3店舗が襲撃された百貨店「平和堂」は復旧作業を急ぐ。だが中国の調査会社によると「9月下旬から10月上旬の売上高が半分まで落ち込んだ日本ブランドが多い」と指摘する。

 企業も日本製品の購入を減らしている。保利集団(北京市)、融僑集団(福建省)など不動産開発大手は9月から日本製品の購入を取りやめ、日立製作所東芝などのエレベーターやエアコンの採用を見送った。

 国有企業を中心に工場設備の入札で日本企業を締め出す動きも広がり、トップ間の商談が中止や延期に追い込まれるケースがある。一部企業は社員に対して日本製品を買わないよう求めている。

 日系自動車メーカーの新車販売台数は9月、前年同月比で大幅に減った。10月も日本車の販売は持ち直していないもようで、各社は減産を余儀なくされている。トヨタ自動車は22日~26日、天津市の合弁工場で3つあるラインのうち2つを停止する。日産自動車ホンダも月内の生産水準は通常の半分程度だ。スズキも重慶市にある合弁工場で減産を検討する。

 NECグループの照明メーカー、NECライティングは、上海の工場に新設した発光ダイオード(LED)照明の生産ラインの稼働見通しが立たない。安全認証規格の認可が当局から下りないためだ。

改善探る動きも

 中国側も不買一辺倒ではない。米アップルなどの製品を受託生産している台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン)に対する日系メーカーの販売は好調を維持している。中国ブランド製品向けの基幹部品供給は影響を受けていない。

 日本製品不買運動で日系工場の稼働低迷が続けば、減速が続く中国の景気にも打撃となる。東北部のある地方政府は年内に日本で投資説明会が開催できないか探るため、日系企業などに「参加企業を集めてほしい」と呼びかけ始めたという。
 

中国景気に「反日」のツケ 不買の代償、縮む生産
                            2012/10/24 2:07

 中国は国内総生産(GDP)の伸び率が7四半期連続で鈍化した。
堅調だった個人消費も息切れが目立ち、公共投資も大きな工事が盛んに動いている気配はない。
日本と中国の経済が一体性を増すなかで、反日感情の高まりが生産や投資の下押し要因となりかねない。
自動車販売台数第2位の国有企業大手、東風汽車集団(湖北省)、同6位の広州汽車集団(広東省)の株価は9月中旬以来、一時16%も下落した。原因は日本車不買の広がり。東風汽車は日産自動車とホンダ、広州汽車はホンダやトヨタ自動車と合弁で日本ブランドの車を現地生産している。


合弁の打撃深刻


9月の日本車販売は前年同月比4割減。日産、トヨタ、ホンダの株も一時1割前後下げたが、合弁相手ほどではない。日本企業の中国での販売比率は最大の日産で25%程度だが、合弁相手の中国2社の日本ブランド車依存率はそれぞれ4割、9割と影響がより深刻だ。


中国で昨年販売した日本ブランド車は全体の2割にあたる約350万台。うち9割を中国で生産する。部品の現地調達率も9割前後になっており、日本ブランド車の実態は「中国車」だ。日本ブランド車の販売・生産が減少すれば日本企業は投資収益が主に悪化するが、中国では工場や販売店を持つ地域のGDPの減少に直接つながる。


自動車に限らず、家電、食品など中国で販売する日本ブランドの消費財は多くが現地生産だ。富士通総研の柯隆主席研究員は「日系企業の苦境が長引くことは中国側も望んでいない」と話す。中国では日系企業約2万5千社が納税し、取引先を含む雇用創出は1千万人に達すると柯氏はみる。

 欧州危機で海外からの中国への直接投資額は1~9月に前年同期比3.8%減と低迷するが、日本からは17.0%増と勢いを保っていた。だが、15日に広東省広州市で始まった貿易見本市「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」では、開幕4日目までに日本のバイヤーが前年比35%減った。
日系撤退を危惧
 日本からの投資、日本への輸出が減れば景気浮揚は難しくなる。京セラ、TDKなど日系約500社が進出する生産拠点の同省東莞市。市政府の担当者は日系企業に「困ったことがあれば連絡してほしい」と声をかけている。日本企業の撤退だけは避けたいからだ。

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 日本企業製の部材のボイコットも呼びかけられているが、実現は難しい。台湾のEMS(電子機器の受託生産サービス)最大手の鴻海精密工業は、米アップルのタブレット(多機能携帯端末)「iPad(アイパッド)」などを日本製部材を使って中国で生産している。
 鴻海グループだけで中国の輸出の3~5%に達するとされ、日本製部材の供給停止で生産が止まれば打撃は大きい。工場がある四川省の税関関係者は「iPad向け日本製部材は滞りなく通関させている」と明かす。
 中国企業も日本製品なしではやっていけない。家電大手のTCL集団(広東省)は13日、「8.5世代」と呼ばれる最新鋭の液晶パネル工場がフル生産に入ったと発表。だが、日本の旭硝子のガラス基板を調達できないと、緒に就いたパネル国産化が停滞する。
 日系企業製品のボイコットを続ければ中国の消費、生産、輸出、投資のあらゆる経済活動が縮小に向かう。9月の日本から中国への輸出は前年同月比14%の減少。大きな落ち込みではあるが、同じように領土を巡って対立するフィリピンの8月の対中輸出の42%減ほど深刻ではない。
 中国側が景気を意識し、まだ日本に対しては節度をもって対応している姿が見て取れる。だが、日本企業外しや製品ボイコットが長引けば日本側の経済活動も縮小に向かう。それがさらに中国の景気悪化に跳ね返る負のスパイラルに陥る。

中国の日本製品不買、iPhoneにも波及するか
アジア部次長 村山宏          2012/9/16 7:00

 中国全土で反日デモが起こった。デモでは「日本製品をボイコットしよう」といったスローガンも目立つ。中国のネットでは米アップルの新型スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)iPhone(アイフォーン)5は「部品の多くが日本製であり、買うべきではない」との議論さえある。中国の日本製品ボイコットはどこまで可能なのだろうか。

反日デモで、日の丸に「日本製品ボイコット」などと書き行進する人たち(13日、北京)=共同
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反日デモで、日の丸に「日本製品ボイコット」などと書き行進する人たち(13日、北京)=共同
 中国商務省の姜増偉次官は13日の記者会見で「消費者が理性的な方法で立場や考えを表すことは権利であり、理解できる」と述べ、日本製品のボイコットを認めるような発言をした。中国政府高官のお墨付きを得て、ネットでは日本製品の不買の呼びかけが勢いを増した。不買の矛先は中国でも人気のあるアイフォーンにまで及んでいる。
 アイフォーン5は半導体メモリーや液晶パネル、コンデンサーなど日本企業の部品を大量に採用しているといわれ、東芝やエルピーダメモリ、ジャパンディスプレイ、村田製作所、TDKが部品を供給しているようだ。こうした情報を聞いた中国の消費者が「アイフォーンをやめてサムスン電子や中国メーカーのスマホを買おう」とネットで呼びかけた。
 ただ、サムスンや中国企業の製品に切り替えたところで完全に日本製部品を排除するのは難しい。サムスンもやはり日本企業製品とは無縁ではないからだ。パネルの材料として住友化学などの日本企業製品を採用しており、半導体や液晶の製造ではニコンなどの装置を使っているとみられるからだ。
 中国の携帯端末メーカーは台湾企業の部品を採用する例が多いが、台湾製でも半導体の基盤となるウエハーやパネルの基盤となるガラスの多くが日本企業製だ。東アジアでは、原材料を日本企業が提供し、半導体などの中間財を韓国・台湾が担い、中国で最終製品に組み立てるといった分業体制が確立している。分業ネットワークから日本企業製品を除けば、どんな企業でも生産がおぼつかなくなる。
 受託生産の普及も単純な日本製品ボイコットを難しくしている。中国家電大手のTCLは東芝、ソニー、パナソニックの製品を受託生産している。日本製品の不買で傷つくのは日本企業だけでなく、中国企業に及ぶ可能性もあるのだ。ユニクロのブランドで知られるファーストリテイリングなど衣料関連企業も中国の縫製工場に生産を委託しており、売り上げが減れば中国工場への影響は免れない。


 日本の自動車メーカーは中国で販売する製品のほとんどを中国内の工場で生産している。日産自動車は河南省・鄭州で工場を稼働したほか、遼寧省・大連にも新工場建設を予定する。自動車産業の手薄だった地域であり、自動車部品産業の育成も含めた地元経済への波及効果は大きい。日本車ボイコットを続ければ内陸開発や東北振興も滞りかねない。中国政府は省エネタイプの自動車の普及を目指しているが、省エネでは定評のあるトヨタ自動車のハイブリッド車や日産の電気自動車を排除しては技術移転も進まない。

 意外だが、日中経済のつながりは食料にも及ぶ。中国では穀物の国内需要が間に合わず、輸入が増えている。特に大豆は国内消費の7割超が輸入だ。大豆から食用油をしぼるほか、カスは飼料にもなる。中国は米国から大豆を輸入してきたが、米国の干ばつの影響を考慮し、最近はブラジル産の輸入を増やす傾向にある。ブラジルで大豆の生産、集荷、輸出に関わっているのは、三井物産をはじめとする三菱商事、丸紅の日本勢だ。丸紅は「当社がブラジルから輸出する大豆の95%が中国向け」という。

 丸紅は中国の中儲糧油脂、山東六和集団と飼料合弁事業を展開。三菱商事は昨年、中国最大の食料関連国有企業である中糧集団(COFCO)との間で年間最大500万トンの大豆を供給する契約を結んだ。中国の消費者が、日本企業が提供するからといって食用油や、大豆カスを与えて育てた豚の肉を拒否するわけにはいかないだろう。むしろ日本企業の協力がなければ大豆不足から食料インフレを助長してしまいかねない。

 日本、韓国、台湾、中国の東アジアは市場を通じて緩やかな経済圏を構成している。政治的なあつれきで市場のネットワークが崩れれば、関連する国家・地域のすべてが経済的な利益を失う。どこか一つの地域や企業だけが得をし、損をする関係ではない。

 2005年、10年の反日デモでも、日本製品のボイコットが訴えられたが、長続きはしなかった。理性的に考えれば市場のネットワークを壊すわけにはいかないからだ。今回もまた、市場でつながる東アジアの経済圏は政治的な危機を乗り越え、繁栄を維持できるのだろうか。

 

 


 

 

 

2012年10月22日月曜日

尖閣問題 コラム グローバルオピニオン

核心  「大兄」になるなかれ
問われる中国モデル 


 尖閣問題のあおりで、北京の書店に平積みされていた村上春樹さんの「1Q84」の訳本が一時姿を消したという報道があった。

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 ベストセラー小説の題名の下敷きは、英国の作家ジョージ・オーウェルが第2次大戦直後に書いた近未来小説「1984年」だ。

 その国では、家庭に「テレスクリーン」と呼ぶ装置があり、常時「党」の宣伝を流す一方、住人の言動も監視する。党の最高指導者は「ビッグ・ブラザー」。直訳すれば「大兄」か。

 北京の地下鉄でも、若い人は一心に携帯に見入っている。3年前開通した地鉄4号線に乗ると、清朝の離宮「円明園」前に着く。

 広大な庭園の奥に、古代文明の遺跡と見まがう石柱や石材が散在する一角がある。この地にあった西洋式宮殿がアロー戦争(第2次アヘン戦争)で、英仏連合軍に破壊された跡だ。

 西洋人の宣教師に命じて「西洋楼」を建てたのは、清朝第6代の乾隆帝。清の版図を中国史上最大にまで広げた皇帝は晩年、英国の使節マカートニーを接見したことでも知られる。

 皇帝は、貿易拡大の求めにけんもほろろで、海路運ばれたプラネタリウム、望遠鏡、機械類などの進物もろくに見ないで、円明園の小屋にしまい込んだ。

 1820年の時点で、中国の国内総生産(GDP)は世界の3分の1を占めていた。そこから急落する。産業革命で、欧米や日本に後れをとったのだ。

 もし乾隆帝が、西洋の宮殿ではなく、科学技術に興味を示し、産業革命の潮流を取り込んでいたら。中国の歴史、いや世界史は様相を異にしたはずだ。

 指導者の交代期を迎えたいまの中国も、歴史の分岐点に立つのではないか。

 中国が公表しなくなった2つの統計がある。所得格差を示すジニ係数と、デモや労働争議などの集団抗議行動の件数だ。

 1に近づくほど不平等になるジニ係数は、改革開放の初期には0.3程度、それが0.4を超え、この10年ほど空白だ。現状は0.5に近いとされる。中南米やアフリカの国並みだ。

 集団抗議行動も、03年に6万件、05年に8.7万件と増え、やがて数字が消えたが、最近の非公式推計では18万件ともいわれる。

 膨らむ矛盾を何とか取り繕えたのは、高度成長のおかげだろう。頼みの成長率が、7~9月期で7四半期連続鈍化した。

 世界銀行が、2月に出した2030年を見通した中国リポートも、中期的な成長屈折を予想していた。

 世銀によれば、中国の生産年齢人口の峠は15年。人口ボーナスがオーナス(重荷)に転じる。持続的な所得増加には構造改革が必要で、(1)市場経済化を進める(2)技術革新を促す(3)機会の平等や社会保障を整備する、などを勧めている。

 その改革が進まない。野村資本市場研究所の関志雄シニアフェローは、本紙「経済教室」(5月24日付)で「体制移行のワナ」論を紹介している。計画経済から市場経済への移行が足踏みし、一部分野で国有企業が民営企業のシェアを食う「国進民退」が見られる。国有企業などの既得権益集団が、うまみのある混合型体制の固定化をはかり抵抗している、という見方だ。

 関氏によれば、清華大学の研究グループの報告書は「市場経済、民主政治、法治社会といった普遍的価値を基礎とする世界文明の主流に乗らなければならない」と踏み込んでいる。

 いまの指導部は「政権交代のある多党制や三権分立は導入しない」(呉邦国全人代委員長)と西洋型民主主義を否定する。だが「中国的特色のある社会主義市場経済」とは何なのか。詰まるところ、共産党一党支配の永続化ではないのか。

 中国が世界の潮流を見誤れば、世界にとってもリスクだ。欧米にも「中国モデル」は途上国の手本、という人もいるが、中国と関係が深かったミャンマーは民主化へと走り出した。

 先月、フェイスブックの利用者が10億人を超えた。国別人数で米国の1位は当然として、ブラジル、インド、インドネシアなどの新興国が上位に連なる。中国は利用を規制している。

 中国のネット人口は5億人を超え、多くがミニブログの微博(ウェイボ)を利用する。情報化社会が花開いたようにも見えるが、中国のメディアは共産党の厳しい統制下にある。

 昨年の「アラブの春」の際は、当局が報道を抑え、ネットを検閲し、集会やデモの呼びかけを封印した。尖閣の反日デモは急速に収束したが、北京の公安当局は市民の携帯に、デモ自粛の一斉メールを送ったという。オーウェルの世界を、垣間見る思いがする。

 孔子とほぼ同時代、古代アテネに指導者ペリクレスがいた。歴史家のツキジデスが、彼の演説を記した。

 「われらの政体は……少数者の独占を排し多数者の公平を守ることを旨として、民主政治と呼ばれる……個人間に紛争が生ずれば、法律によってすべての人に平等な発言が認められる……また日々互いに猜疑(さいぎ)の眼を恐れることなく自由な生活を享受している」(久保正彰訳)

 いま読み返しても古びていない。来月8日からの中国共産党大会は、習近平氏をトップとする新しい最高指導部を選ぶ。願わくは、その中から「北京のペリクレス」が出てほしい。


グローバルオピニオン  日米、対中で経済連携を   
        米ユーラシア・グループ社長 イアン・ブレマー氏

尖閣諸島をめぐる対立を引き金に、日本企業は中国でデモ隊に襲われた。中国は次々と対日制裁を繰り出し、強硬な姿勢をみせている。背景には中国の経済力の増大がある。以前のように日本の資本や技術を必要としない、と感じているようにみえる。


 中国は韓国や台湾などに影響を及ぼし、東アジアで日本を孤立させようとも考えているようだ。国内政治が路線対立を抱えるなか、反日のナショナリズムに訴えるのは、中国側にとって、もっとも安直な手段である。

 日本はどう対処すべきか。第一に中国のナショナリズムに対し、ナショナリズムで対抗するのは得策でない。第2次大戦にいたる歴史認識の問題を主たるテーマとして争うことは、控えた方がよい。

 積極的に取り組むべきは、米国など経済的な立場を共にする国々との連携である。例えば、環太平洋経済連携協定(TPP)は中国に対抗するうえで大切な手段となる。欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)も重要だ。

 ちょっと前までは、グローバル化が進めば、世界が平和にひとつになると、思われていた。そんな「ワールド・イズ・フラット」の時代には、中国は急成長する巨大市場の側面ばかり注目された。

 だが今や、世界中を仕切れる国が不在となった「Gゼロ」の時代が到来した。このGゼロ時代においては、政治が経済に対して強い影響力を発揮する。とりわけ中国は政経不可分の国である。

 消費財の販売先として深入りするのは、リスクが大きい。政治的に機嫌を損ねると、他の国の商品に簡単に代替されてしまうからである。

 中国依存の軽減は大きな課題になる。中国の人件費が上昇していることもあって、米企業はすでに対中投資を抑制しつつある。必ずしももうかる市場ではないことに、米企業の経営者は気づいたのだ。

 中国はいずれ自由な市場経済に向かう。そう思われた時期もあったが、今は違う。政府が経済や産業を操る国家資本主義の体制はしばらく変わらない。そんな見方が米国では有力になっている。知的財産権の侵害やサイバーテロなどは、米国にとって現実の脅威である。民主党も共和党もこの認識では変わらない。

 米国の中国観が変わったことは、中国との間で厳しい立場にある日本にとって悪い話ではなかろう。日本は米国と手を携え、TPPを「新たな世界貿易機関(WTO)」に育てることに力を尽くすべきだ。TPPが強力な存在になれば、いずれ中国もそのルールに従わざるを得なくなる。

 日本の得意技は外交や安全保障ではなく、経済や産業である。歴史認識などで熱くならず、米国と一緒にその手腕を発揮してほしい。(談)

 Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評があり、近著に主導国のない時代を論じた「『Gゼロ』後の世界」。ユーラシア・グループは米調査会社。42歳
<記者の見方>日本は体勢立て直せ

 米中2大国が世界を牛耳る「G2」の時代が到来した。多くの人がそう考えた2011年初めにブレマー氏は、傑出した指導国が不在の「Gゼロ」世界が到来したと喝破した。今や誰もが認識するGゼロの世界で、大きなテーマは中国の台頭。

 どう向き合うか。日本に突きつけられた難題だが、実は米国においても中国はとても扱いにくい存在になってきた、とブレマー氏。米国の変化をとらえ、日本が自らの体勢を立て直せればよい。内にこもっていてはその機会も得られない。
 

習氏は蒋経国になれるか 中国と「失われた20年」
                                                  2012/10/21 7:00

 中国が「失われた20年」を回避できるか、と指摘したら、多くの日本人は「えっ」と声を上げるにちがいない。中国は経済規模で日本を上回るほどの急成長を遂げたのに、失われたという表現は間違っていると感じるかもしれない。だが、指導者の交代があった10年前の中国共産党大会を振り返ると、「何も変わらなかった中国」が浮かび上がる。

習氏は改革者となれるか=共同
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習氏は改革者となれるか=共同
 中国のジャーナリストによると、「習近平氏が蒋経国になってほしいとの期待感が高まっている」という。中国共産党は11月8日から第18回党大会を北京で開くが、習近平国家副主席が政権トップの党総書記に就くのは間違いない。その習氏になってほしいと中国の知識人らが願望する蒋経国とは誰か?
 蒋経国は、共産党との内戦に敗れ、台湾に移った国民党の指導者、蒋介石の息子だ。中国大陸にいた時代から行政手腕にたけ、台湾に移ってからも独裁体制下の統治者として君臨した。蒋経国は強力な政治主導で台湾経済・産業の高度化に成功。国民党は長く戒厳令を敷いていたが、これも解除し、後の民主化につながる改革を断行したことで知られる。
 蒋経国は独裁者ではあったが、近年、改革者としての評価も高まっている。共産党次期トップの習近平氏も父親の習仲勲がかつて副首相を務めており、蒋経国と同じ2世政治家だ。「2代目は頭の固い父親の世代より発想が柔軟になるため、改革に動くのではないか」というのが中国の改革派の願望のようだ。
 共産党大会を前にすると次期指導者への期待が膨らむのは毎度のことだ。実は、胡錦濤国家主席(総書記)、温家宝首相が登場した2002年秋の党大会前も期待感であふれていた。2人は、1980年代に政治経済の改革を進めようとして失敗した胡耀邦元総書記に近い人物であり、改革派と見なされてきたからだ。
 当時の日本の新聞をめくってみる。「共産党に資本家入党、国民政党へ脱皮」「民間主導で産業高度化」「貧富の格差拡大の是正が急務」「政治改革が進み、メディアの自由が広がるか」などといった内容であふれていた。中国だけでなく、日本でも期待が相当に高かった2人の登場だった。
 では2人のその後はどうだったのか。まず、経済を見てみよう。組み立て・縫製など付加価値の低い産業に中国は立脚しており、民間企業主導による高付加価値産業への脱却が唱えられた。輸出の半分以上を外資に依存しており、海外に通用する民間企業の育成も急務とされた。当時の党大会には民営企業家が招かれるなど、改革機運がみなぎっていた。

 ところが、期待は急速にしぼんでいった。成長する企業は中国石油天然気集団、中国工商銀行、上海汽車工業集団、中国移動通信集団など国有企業ばかり。「国進民退」とやゆされるありさまだ。半導体など付加価値の高い産業は育たず、サービス産業も商業施設以外は発展しなかった。外資依存は変わらず、部品を日本、韓国、台湾から集めて組み立てる産業構造は今も変わらない。輸出の半分は今も外資が担う。



台湾の蒋経国・元総統は独裁者だったが、台湾の民主化を切り開いたと評価する声もある=共同
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台湾の蒋経国・元総統は独裁者だったが、台湾の民主化を切り開いたと評価する声もある=共同

 02年当時、沿海部で定着していた産業構造をそのまま内陸部まで持ち込み、ずうたいを大きくしたのが過去10年の成長だ。国内総生産(GDP)は5倍の7兆ドル台になったが、貧富の格差は10年前よりもさらに大きくなった。規模が大きくなるだけで質の転換はほとんどなし遂げられていない。

 政治はどうか。胡錦濤体制が発足してまもなくは報道への規制が緩んだが、すぐに厳しい管理に逆戻りした。中国政府が人権を抑圧しているとの欧米の批判は今もやまない。温家宝首相は時折、「政治改革」を口にするが、目に見える具体的な成果はなかった。

 2人が改革に踏み込めなかったのは2人だけの責任ではないだろう。中国はトウ小平が改革に着手した1970年代末よりも改革が格段に難しくなっている。70年代当時、共産党の内部をまとめれば改革は実現できた。ところが、その後の経済成長で党外に分厚い既得権勢力が生まれた。国有企業や政府系開発会社、それに連なる官僚、民間企業がいるのだ。こうした既得権勢力は利益を失うことには絶対に反対だ。共産党内で行き過ぎた改革案が浮上すればつぶしにかかる。習近平氏が蒋経国になるためには既得権勢力とぶつからなければならないのだ。

 一方、改革に期待する人々からは「中間層が育ったこれからは違う」という声が聞かれる。経済規模が大きくなった効果で1億人を超える中間層が現れ、インターネットなど新たな通信手段を通じて社会への不満を表したり、改革を求めたりしている。中間層の声を力として利用すれば、習近平氏は改革に動けるかもしれない。

 もう、中国は共産党内の勢力争いだけでは物事を決められなくなっている。習近平氏は既得権勢力と妥協し「失われた10年」を「失われた20年」にしてしまうのか。あるいは既得権勢力と妥協しつつも、できる限りの改革を積み上げた蒋経国となるのか。共産党大会後にこそ注目したい。




 

2012年10月12日金曜日

エイリアン・サティアン発言のバカ息子 石原伸晃の記事

 自民党の石原伸晃幹事長は6日のBS朝日番組で、実父の石原慎太郎東京都知事を党首に想定する新党構想について「利用されているようにしか見えない」と述べた。1月末に親子で会ったことを明かし「衆院選に都知事は出ないだろう」と語った。

 同番組では膨張する医療費の例え話として患者の腹部に管で栄養分を送る「胃ろう」措置を医療施設で見学した感想にも触れ「何十人も寝ている部屋を見た時に何を思ったかというと、エイリアンだ」と述べた。

 

2012年10月11日木曜日

予算のデタラメ支出に目を瞑る自民 そして握手のバカ安倍

復興予算検証の小委員会 流会に
 

東日本大震災の復興予算が関連性の薄い事業に使われているという指摘を受けて、衆議院決算行政監視委員会は11日、小委員会を開いて質疑を行うことにしていましたが、多数を占める民主党が出席せず流会になりました。

政府は、東日本大震災からの復興に向けて、5年間で少なくとも19兆円規模の予算を充てる方針で、財源確保のため、所得税などの臨時増税を実施することにしていますが、復興予算を使って関連性の薄い事業が行われているという指摘が出ています。
これを受けて、衆議院の決算行政監視委員会は、自民党の新藤義孝委員長が、職権で、小委員会を11日開くことを決め、質疑を行うことにしていました。
しかし、小委員会で多数を占める民主党は、「民主党の委員が決まっていないので、出席できない」などとして出席せず、委員の出席が半数に満たなかったことから、流会になりました。
これについて、新藤委員長は、「被災地のために復興予算の適切な使い道を決めることは、国会の責務なのに、民主党が出席しないのは極めて遺憾で、強く抗議する」と述べました。
また、新藤氏は記者会見で、小委員会に、政府側も出席しなかったことを批判したうえで、「民主党の指示だとすれば強い警鐘を鳴らさなければならない」と述べ、政府側に説明を求める考えを示しました。

“先例に照らし内閣総務官室が判断”

藤村官房長官は、記者会見で、決算行政監視委員会の小委員会に政府側が出席しなかったことについて、「事実関係を調べているが、先例に照らして内閣総務官室が判断したと聞いている。野党側から、総理大臣官邸に対して、『立法府として経緯を聞きたい』という申し入れがあったので、きちんと対応したい」と述べました。
復興予算を巡っては、平野復興大臣が財務省に事業を精査するよう求めているほか、政府の行政刷新会議も、復興予算として適当ではない事業が計上されていないか調査しており、政府は不適切な使い方が明らかになれば予算の執行を一部停止することも含め、対応することにしています。

“一方的な開催は残念”

民主党の山井国会対策委員長は記者団に対し、「民主党の委員が決まっていないので、委員会には出席できない。それなのに、野党が一方的に委員会を開催したのは非常に残念だ。こういう状態では政府の担当者も委員会には出席できないので、政府側に出席しないよう指示を出した」と述べました。
 

民主執行部が自民と顔合わせ 首相、党首会談を提案
                                                                                      2012/10/11 13:3

民主党の野田佳彦首相(党代表)ら執行部は11日、自民党の安倍晋三総裁ら新執行部を訪ね、9月の両党の党首選後、初めて執行部が顔を合わせた。首相は「しかるべきときに臨時国会を開会したい。それに先だって党首会談を開きたい」と提案。安倍氏は「わかりました」と応じ、両党の幹事長同士で党首会談に向けた調整を進めることで一致した。顔合わせは国会内で約5分。民主党の輿石東幹事長と安住淳幹事長代行、自民党の石破茂幹事長、高村正彦副総裁らが同席した。
民主党の新執行部のあいさつまわりで握手する野田首相=左から2人目=と自民党の安倍総裁=右から2人目(11日、国会)=共同
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民主党の新執行部のあいさつまわりで握手する野田首相=左から2人目=と自民党の安倍総裁=右から2人目(11日、国会)=共同

 
官房長官「必要あれば説明責任を」 法相の週刊誌報道で
                                                               2012/10/11 12:09
 藤村修官房長官は11日午前の記者会見で、同日発売の週刊誌で田中慶秋法相が暴力団との過去の交際を指摘されたことについて「事実関係を承知していないのでコメントは控える」としたうえで「必要があればしっかりと説明責任を果たすことに尽きる」と述べた。「政治家としていささかも違法、不適切のそしりを受けないようにすべきなのは当然だ」とも語った。