2012年12月12日水曜日

国を守るべき防衛省そして県民守るべき新潟県の無策

防衛省 大震災の教訓について報告書
                                                   12月15日 4時47分
防衛省は、東日本大震災での活動を通じて明らかになった教訓についてまとめた報告書を公表し、
被災地でさまざまな活動が求められるなか、必要な支援に手が回らないケースもあり、
自衛隊が優先して果たすべき役割を明確にすべきだといった課題を指摘しました。

東日本大震災で、自衛隊は、最大で10万人を超える態勢で被災者の支援や原発事故の対応に当たり、防衛省は、活動を通じて明らかになった教訓についてまとめた報告書を公表しました。
それによりますと、被災地では、支援物資の輸送のほか、遺体の搬送などさまざまな活動が求められるなか、避難所の生活支援などに手が回らないケースもあったということで、大規模な災害が起きたときに、自衛隊が優先して果たすべき役割を明確にすべきだといった課題を指摘しています。
また、原発事故への対応では、東京電力など関係機関との情報共有が十分にできなかった点を指摘し、今後、原子力規制庁などとの連絡調整の方法を具体的に検討すべきだとしています。
このほか、原子炉の状況や放射線量などを把握するため、無線操縦で飛行する小型の無人機の導入が必要だとしていて、防衛省は、まず4機を購入し、来年度にも訓練を行うことにしています。
防衛省は、報告書の内容を大規模災害を想定した部隊の行動計画の見直しに生かすことにしています。

新潟 福島事故で東電からヒアリング
                                                    12月15日 0時52分
東京電力福島第一原子力発電所の事故について
  独自に検証している新潟県の技術委員会が開かれ、
初めて東京電力の担当者に対するヒアリングが行われました。

14日、新潟市で開かれた県の技術委員会には、
東京電力の担当者が初めて出席して委員からの質問に答えました。
 この中で東京電力の技術担当者は、福島第一原発の事故について、
「想定を超える津波に対して防護がもろく、すべての電源を喪失した場合に
原子炉を冷却する手段が不十分だった」と説明しました。
  委員からの非常用発電機の電源を失ったのは、
津波ではなく地震が原因ではないかという質問に対して、
東京電力側は「設定された耐震性を下回る地震であり、
地震の揺れが原因で止まったとは考えにくい」と述べました。
  新潟県の技術委員会は、現場で事故の状況を確認したうえで、
検証に反映させる必要があるとして、
今月21日に福島第一原発と福島第二原発を視察する予定で、
東京電力へのヒアリングも改めて行う方向で検討しています。

新潟 津波想定誤りで新防災計画に遅れ
                                                 12月15日 1時6分
東日本大震災のあと新潟県が作成した津波被害の想定図に誤りが見つかった問題で、
  14日、県が関係する市と町に対して説明会を開き、
想定図の作り直しのめどが立たず
今年度中の新たな防災計画の策定が困難になったことを明らかにしました。
新潟県の自治体の避難対策の見直しに大きな遅れが出るのは避けられなくなりました。

新潟県は、ことし6月に公表した津波の浸水想定図で、
地震を引き起こす7つの断層の位置がいずれも南東方向におよそ12キロずれていたため、
津波の到達時間や浸水する範囲の想定を全面的に見直さなければならなくなっています。
  14日、新潟市で県が開いた説明会には、
沿岸部の10の市と町の防災担当者など20人余りが出席しました。
この中で県は、専門家による委員会を設けて
早急に想定図を作り直す作業に取りかかりたいとしていますが、
いつ完成するかめどが立たないと説明しました。
  そのうえで、新しい津波の防災計画が
今年度中は策定できないとの見通しを示しました。
  沿岸部の市と町は、県の想定を基に、
それぞれ津波からの避難対策の見直しをすでに進めていますが、
そうした作業に大きな遅れが出るのは避けられなくなりました。
出席した上越市の防災担当者は
「市民への説明をすでに始めていたのでショックだ。
早く正確な想定図を作り直してもらいたい」と話していました。

2012年12月11日火曜日

NHK ボケッとした記載が多すぎる

神奈川 投票用紙間違えるミス       12月16日 12時45分     NHKニュース詳細


神奈川 投票用紙間違えるミス
16日に行われている衆議院選挙の投票で、神奈川県横須賀市の投票所で小選挙区の投票の際に有権者2人に誤って比例代表の用紙を渡し、無効になるミスがありました。

横須賀市選挙管理委員会によりますと、ミスがあったのは横須賀市の岩戸コミュニティセンターの投票所で、16日午前7時すぎ、開票所を訪れた有権者2人に対し、小選挙区の投票の際、誤って比例代表の用紙を渡したということです。
2人が投票を済ませたあと、比例代表の担当者が小選挙区と比例代表の用紙が入れ替わっていることに気付いたということです。
小選挙区については、改めて本来の投票用紙で投票をし直してもらったということですが、比例代表については、法律で1人1票と定められているとして投票用紙を改めて交付することはできないと伝えたということです。
比例用紙に小選挙区の候補者の名前が書かれた2票については無効になるということです。
会場の設営を担当した市の職員が投票用紙を間違えたことが原因だということで、横須賀市選挙管理委員会のの一ノ瀬秀行選挙管理課長は「投票の機会を奪ってしまい大変申し訳ありません。二度と起きないようすべての投票所に注意を促しました」と話しています。

2012年12月10日月曜日

職員寝過ごし投票開始遅れ

秋田 職員が寝過ごし投票開始遅れる
 


秋田 職員が寝過ごし投票開始遅れる
衆議院選挙の秋田市の投票所で、担当の職員が寝過ごしたため、投票の開始が15分遅れ、開始を待っていた有権者が帰ってしまうなどの影響が出ました。

秋田市選挙管理委員会によりますと、秋田市仁井田の御野場中学校の投票所で、本来は午前7時の投票の開始が15分遅れました。
原因は投票用紙や名簿を預かっていた秋田市の40代の男性職員が寝過ごして、投票所に来なかったためで、別の職員が男性職員の自宅まで投票用紙と名簿を取りに行ったということです。
投票開始を待って並んでいた有権者のうち、およそ10人が投票せずに帰ってしまったとみられています。
秋田市選挙管理委員会の菅原弘夫委員長は「職員の緊張感の欠如により、有権者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことは遺憾であり、誠に申し訳ありません。今回の事案を検証し、再発防止に努めます」と話しています。

職員寝過ごし投票開始遅れ 岐阜でも
 

職員寝過ごし投票開始遅れ 岐阜でも
衆議院選挙の岐阜市の投票所で、担当の職員が寝過ごしたため、午前7時までに投票用紙を届けられず、投票の開始が27分遅れるミスがありました。

投票の開始が遅れたのは、岐阜市森東にある「三輪南第2投票所」です。
岐阜市選挙管理委員会によりますと、担当の49歳の男性職員が寝過ごしたため、午前7時の投票開始までに投票用紙合わせて4500枚余りと、投票に訪れた有権者を照合する名簿を届けることができなかったということです。
このため、この投票所では投票の開始が27分遅れ、それまでに訪れた3人の有権者のうち2人が帰り、1人はそのまま待って投票したということです。
帰った2人のうち、1人は改めて投票所を訪れて午前中に投票を済ませましたが、もう1人は仕事の都合でまだ投票をしていないということです。
岐阜市選挙管理委員会の服部悦郎事務局長は「このような重大な事態を起こしてしまい、深くおわび申し上げます。同様のことが2度と起こらないよう、再発防止策について今後検討します」と話していました。

秋田と岐阜で市職員寝坊、投票開始遅れ帰った有権者も


 秋田市選挙管理委員会は16日、市内の衆院選の投票所1カ所で、投票開始が定刻の午前7時より15分遅れたと発表した。投票用紙などを管理する市職員が寝坊したため。7時に合わせて待っていた25~30人のうち約10人は投票しないで帰ってしまったという。
 市選管によると、市職員が集合時間の午前6時半までに、姿を見せなかった。何度も電話をかけても通じないため、別の職員が自宅まで出向き、投票用紙などを持ってきたという。
 菅原弘夫市選管委員長は「緊張感の欠如により、有権者に迷惑を掛けたことは遺憾。誠に申し訳ない」との謝罪した。

2012年12月7日金曜日

景気基調判断、3年6カ月ぶり「悪化」

景気基調判断、3年6カ月ぶり「悪化」に 10月
一致指数、7カ月連続で低下

                                                                        2012/12/7 15:37

 内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(CI、2005年=100)によると、景気の現状を示す一致指数は前月比0.9ポイント低下の90.6だった。マイナスは7カ月連続で、内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「下方への局面変化」から「悪化」に下方修正した。

 下方修正は2カ月連続で、内閣府が判断を「悪化」とするのは08年のリーマン・ショックによる世界的な景気後退の影響が残っていた09年4月以来、3年6カ月ぶり。「悪化」は「景気後退の可能性が高いことを示す」と定義し、「暫定的」としていた前月までの景気後退に対する判断を一歩進めた。正式な景気後退の判断は内閣府の景気動向指数研究会の議論を経て決定する。

 10月は液晶テレビの販売不振が響き、耐久財の出荷が減少したほか、生産活動の停滞に伴って大口の電力使用も限られた。製造業を中心に残業なども減り、有効求人倍率も低下。エコカー補助金終了の影響で商業販売額も落ち込むなど雇用や消費も弱含んだ。

 一方で、半導体など電子部品・デバイス関連などの持ち直しがあって鉱工業生産指数は4カ月ぶりに上昇。化学工業など生産財の出荷も下げ止まり、一致指数を下支えした。

 数カ月後の先行きを示す先行指数は0.9ポイント上昇の92.5と2カ月ぶりに上がった。住宅建材などの建設財や化学工業など生産財の在庫が減少したことが主因。分譲マンションなど新設住宅着工なども指数上昇に寄与した。

 景気に数カ月遅れる遅行指数は0.5ポイント上昇の87.2と2カ月ぶりのプラス。指数を構成する経済指標のうち、3カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すDIは一致指数が10.0%、先行指数は38.9%だった。



2012年12月4日火曜日

衆院選公示 選挙戦が始まる

                                                                                12月4日 12時47分
   第46回衆議院選挙が4日、公示され、民主党中心の政権が継続するのか、
それとも自民・公明両党が政権に復帰するのか、
2大政党に対抗する第三極が勢力を伸ばすのか、選挙後の「政権の枠組み」を焦点に、
今月16日の投票日に向けて選挙戦に入りました。

小選挙区については各都道府県の選挙管理委員会で、また、比例代表は総務省にある中央選挙管理会で、
午前8時半から立候補や候補者名簿の受け付けが行われています。
届け出を済ませた各党や候補者は早速有権者に支持を呼びかけ、
今月16日の投票日に向けて12日間の選挙戦に入りました。
各党の党首は、各地で第一声を上げ、支持を訴えました。

民主党“日本の政治を前に”

民主党代表の野田総理大臣は福島県いわき市で、「やらなければならないことを前に進められるか、
昔の政治に後戻りしてしまうのかが問われる選挙だ。
福島県からスタートすることで『福島の再生なくして日本の再生なし』という思いを新たにし、
日本の再スタートを切りたい。
原発事故を受けて、『原発ゼロを目指してほしい』という国民の覚悟を受け止め、
2030年代に原発稼働ゼロを目指すことを閣議決定した。
自民党は10年間立ち止まって考えるそうだが、
それでは再生可能エネルギーの普及などを本気でやるとは思えず、『続原発』だ。
復興の歩み、社会保障、経済、外交、政治改革、そして脱原発の道を大いに前に進めたい。
一人一人の力が結集すれば、日本の政治を前に進められる」と述べました。

自民党“政権の奪還を目指す”

自民党の安倍総裁は福島市で、
「デフレから脱却し、円高を是正し、経済を成長させて、国民を豊かにし、
若い人たちが就職に心配しなくてもいい経済を取り戻す。
そのうえで、社会保障の基盤をしっかりと整え、その力で東北の復興を力強く進めていく。
自民党と公明党で過半数を獲得し、政権の奪還を目指す。
それは、私のためでも自民党のためでもなく、一日も早く福島をはじめ被災地を復興させ、
日本人が日本に生まれたことを幸せに感じ、子どもたちが日本に生まれたことを誇りにできる、
そういった日本を取り戻すためだ」と述べました。

日本未来の党“原発から自然エネルギーへ”

日本未来の党の嘉田代表は福島県飯舘村で、「東日本大震災以降、最初の国政選挙だ。
日本から原子力発電所をなくし、原発から自然エネルギーへ。
そして、地域の経済を再生します。原発ゼロ社会は、決して後ろ向きの社会ではない。
子どもに夢を。地産地消の経済。
そして未来へのエネルギー社会。全国の同志と戦いながら、
日本未来の党の全員当選を目指して頑張ります」と述べました。

公明党“日本再建のため全力で”

公明党の山口代表は横浜市で、
「首都直下地震や南海トラフ付近で起きる巨大地震などの災害に備えて、
命を守る防災・減災対策を実行していかなければならない。
3年3か月の民主党政権の失政によって、日本の経済も外交も沈没寸前であり、
日本の再建のために全力で立て直しを図っていかなければならない。
それを担う力があるのがどの政党か、誤りなく選んでもらいたい」と述べました。

日本維新の会“一緒に日本の維新を”

日本維新の会の石原代表は大阪市で、
「この国の政治は、結局は政党でなく中央の役人が支配している。
自民党が続けてきた政治、それに続いた民主党の政治で、日本はボロボロになった。
このあたりで自分の国は自分でつくり直すんだという気持ちを持たなければ、
自分の子どもや孫に顔向けできないと思い、橋下さんと立ち上がった。
一緒になって日本の維新をやろう」と述べました。

共産党“政治のゆがみを正す”

共産党の志位委員長は東京・新宿区で、
「消費税増税や原発再稼働を強行した民主党政権には財界中心というゆがみがある。
また、オスプレイの配備やTPPの推進は、アメリカ言いなりの政治のゆがみだ。
このゆがみを正そうと堂々と主張しているのは共産党だけだ」と述べました。

みんなの党“増税の前にやるべきことが”

みんなの党の渡辺代表は栃木県那須塩原市で、「増税の前にやるべきことがある。
まず右肩下がりのデフレ経済から脱却をすることだ。
根性を入れ替えて、この衰退しかかった日本を何としても、
もう一度、成長する国家に戻そうではないか」と述べました。

社民党“命を大切にする政治を”

社民党の福島党首は福島県会津若松市で、「社民党は命を大切にする政治を実現します。
だから脱原発です。雇用が大事です。消費税増税、庶民いじめに反対です。
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加に反対です。
憲法改悪を絶対に阻止していく」と述べました。

新党大地“3つを目標に戦う”

新党大地の松木幹事長は北海道北見市で、
「新党大地は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定を壊す。
原発をゼロにする。そして、消費税増税には絶対反対していく。
この3つを目標に戦っていきたい」と述べました。

国民新党“あしたの政治は変えられる”

国民新党の自見代表は鹿児島県薩摩川内市で、「ぶれない真の保守は国民新党だけだ。
7年前に国家の羅針盤として、行き過ぎた規制緩和や予算削減はおかしいと訴えてきた。
あしたの天気は変えられないが、あしたの政治は変えられる」と述べました。

新党日本“日本を再び興すことができるか”

新党日本の田中代表は兵庫県尼崎市で
大増税とTPPと放射能は、私たちの仕事と生活を脅かす深刻な問題だ。
今回の総選挙の意義は、有権者が信頼できる個人の議員を選び、
日本を再び興すことができるか否かだ」と述べました。

新党改革“経済活性化と社会保障充実を”

新党改革の舛添代表は東京・有楽町で、「経済を活性化し、社会保障を充実させる。
この2つの車輪を回していけば、必ず国民の生活が豊かになり日本は立ち直る。
そういう思いを訴えて全力で戦っていく」と述べました。

2012年11月30日金曜日

デタラメ東電、新たな2回目TV会議映像公開 福島原発事故

東電、新たなTV会議映像公開 放水の経緯など
福島原発事故

日本経済新聞 2012/11/30 14:06

 東京電力は30日、福島第1原子力発電所事故後に記録した社内テレビ会議の映像を追加公開した。
新たに公開されたのは昨年3月16~22日と3月30日~4月5日の計約2週間分(計335時間54分)。
使用済み核燃料プールの水位が下がり燃料棒が過熱したため、
自衛隊のヘリコプターなどにより必死の放水作業を展開した経緯などが映っている。

 このうち、報道機関に映像データとして提供されたのは計約1時間51分の3つの場面で、
これらは東電のホームページにも掲載された。
原発敷地内にたまった汚染水を海洋放出した際の東電幹部の発言なども収録されている。
残りの映像は報道関係者らに閲覧だけを認めた。

 東電がテレビ会議映像を公開したのは、
事故直後の昨年3月11~15日の映像を今年8月に公開したのに続き2回目。
今回も一般社員らのプライバシー保持などを理由として、音声や画像に処理を施している。

 日本新聞協会などは東電に対し、映像を全面的に公開するよう求めている。

東電TV会議 汚染水放出の混乱浮き彫り
               NHK      11月30日 17時26分

 原発事故直後の対応が記録されたテレビ会議の新たな映像が公開されました。
この中には、去年4月、
関係機関への十分な連絡なしに汚染水を海に放出する決定をした際のやり取りがあり、
映像からは、政府や東京電力本店が現場の切迫感を十分把握できず、
追い込まれて放出を決断するという、当時の混乱ぶりが確認できます。

 新たに公開されたのは、事故から6日目の去年3月16日からの1週間と、
去年3月30日からの1週間の、およそ336時間分のテレビ会議の映像で、
原則、閲覧による公開で、ほかにおよそ2時間分が報道用に提供されました。
 この中には、冷却できなくなった使用済み燃料プールに
自衛隊のヘリコプターなどで放水した際のやり取りや、
関係機関への十分な連絡なしに汚染水を海に放出し、
国内外から批判を浴びた際の対応などが含まれています。
 このうち、汚染水の放出については、
政府や国会の事故調査委員会が検証結果を公表していますが、
実際に現場と本店や政府との間でどのようなやり取りがあったのか
十分明らかになっていません。
 今回の公開によって、その一端が見えてきました。
例えば、去年3月30日のテレビ会議では、
 現場の指揮官の吉田所長が、「水の問題がいちばん大きいことは、
すでに1週間近く言っている。限界だ。
何とかしてくれ」と、汚染水の海への放出も含めて、
緊急に対策を検討してほしいと本店に掛け合っていました。
 しかし、本店側の担当者は
「決して汚染水を外部に放出しないためにどうすればいいか検討している」と発言し、
現場の危機感との間にずれが生じているのが確認できます。
 その後、事態が悪化し、放出当日の去年4月4日午前9時のテレビ会議では、
吉田所長が「手足を縛られたなかで頑張れと言われても、到底頑張れない」と発言し、
状況が一変して、一気に海への放出が決まっていったことが分かります。
  一連のやり取りを見ると、政府や本店が現場の切迫感を十分把握できず、
汚染水の海への放出という極めて重大な決断を、
追い込まれて決めていった混乱ぶりが浮かび上がります。
 ただ、こうしたやり取りの多くは閲覧の映像の中にあり、
提供された動画の中にはほとんど含まれていませんでした。
 このほか、去年3月17日、3号機の燃料プールに
自衛隊のヘリコプターで上空から放水しようとした際のテレビ会議の映像には、
「来たぞ、4機目だ」、「ああ、霧吹きだ」などと、
冷却手段がなくなった燃料プールへの放水に期待しながら
見守るしかない現場の苦悩も見て取れます。
 

 今回の公開は、
ことし8月以来2回目で、事故対応の検証に欠かせないテレビ会議の映像について、
東京電力は事故から1か月に当たる去年4月11日までの分を公開する方針を示していて、
残る2週間分について、来年1月下旬をめどに公開するとしています。

汚染水放出に至った経緯は

汚染水の海への放出が決まるまでの経緯を、
政府や国会が設置した事故調査委員会の報告書の記述などからまとめます。
 発端は、事故から8日後の去年3月19日。
6号機の地下の電源設備がある部屋に
汚染水が流れ込んでいるのが見つかったことから、検討が始まります。
 「電源設備に被害が出ると、
重大な事故に至っていない5号機と6号機にも影響が及ぶおそれがある」。
こうした危機感から、
3月23日には、6号機の地下にたまっている汚染水を海に放出したいと、
初めて「海洋放出」を当時の保安院に伝えています。
 しかし、放射性物質の濃度が法令で定める基準より高かったため、
東京電力はいったん、「海への放出は困難」と判断します。
その後、6号機につながる立て坑の水が地下に流入していることが分かり、
今度は、この水の海への放出を検討しますが、こちらも濃度が高く、再び断念します。
 一方、この間に重大な事態が発生します。
3月24日、3号機の地下にたまった汚染水で、作業員3人が被ばくをする事故が起きます。
原子炉から流れ出た高濃度の汚染水がタービン建屋などにたまっていたことが原因で、
東京電力と国は特別チームを作り、汚染水への対策を本格化していきます。
 この中で、高濃度の汚染水を放置すれば、
立て坑から外に漏れ出るおそれがあるとして、移送先を確保することになり、
特別チームは3月28日、
別の施設にたまった比較的低い濃度の汚染水を海に放出する方針を固めます。
 これに対して、4月1日、特別チームの全体会議で、
「汚染水の海への放出は絶対にありえない」という強い意見が出されます。
 事態が変わったのはその翌日。
最も恐れていた、高濃度の汚染水の海への流出が起きたのです。
2号機の立て坑から、ピットと呼ばれる施設を通じて、海に漏れ出ました。
 この事態を受けて、翌4月3日に開かれた政府と東京電力の会議の席上、
「やむをえず低い濃度の汚染水を海に放出せざるをえないかもしれないが、
国民が納得できる説明が必要」という意見が出されます。
 そして、4月4日朝のテレビ会議で、
吉田所長が「手足を縛られたなかで頑張れと言われても、
到底頑張れる状況にない」と現場の状況を訴えると、
一気に海洋放出に傾き、
政府内での了承、原子力安全委員会からの技術的な助言など、
事務的な手続きが同時並行で進められ、
原子炉等規制法の64条に基づく「危険時の措置」と判断され、
海への放出が決まりました。
 こうした一連の経過について、
国会の事故調査委員会は「大量の汚染水の処理は当初より予測可能で、
十分な検討や対策が行われていれば、
海への放出を余儀なくされる事態は回避できた可能性が十分に考えられる。
 本店はふかん的、長期的視点から、現場を支援する役割を十分に発揮できなかった」
と指摘しています。
また、関係者の理解を完全に得られないまま放出したことについても、
「放出計画を適切に説明する時間的な余裕があれば、
こうした事態は避けられた可能性がある」と厳しく指摘しました。


2012年11月24日土曜日

100万円以上? 1票の価値、お金に換算すると

                         [日経プラスワン2012年11月24日付]     エコノ探偵団
■選挙・活動費から計算すると1000円

 「候補者は1票を得るのにいくら使うのかしら」。明日香は総務省の資料を調べた。2009年8月の前回総選挙で、東京都の小選挙区候補者の運動費は合計約5億4900万円。総得票数が約688万票なので1票当たり約80円支出した計算だ。全候補者が運動費を法定上限額まで使った場合は約400円になる。

 「候補者にも聞いてみよう」。明日香は前衆院議員の一人に実態を尋ねた。「前回総選挙では自腹で約1千万円用意し、所属政党から千数百万円の支援を受けました」。得票数が約10万だったので1票当たり二百数十円になる計算だ。

 ただ、議員活動は選挙期間中だけではない。「地元事務所の維持費などで年間2千万円近くかかる」という。明日香は電卓をたたき「仮に任期中4年間の活動費も次の選挙に向けた費用だと考えれば、1票1千円くらいね」とつぶやいた。

 「“市場価格”も知りたいわ」。明日香は買収価格を調べることにした。警察庁に問い合わせると前回選挙での検挙事例を教えてくれた。捜査第2課によると「運動員が有権者20人に現金約3千~5千円を渡した」「有権者3人に、投票と票のとりまとめの見返りに1500~6千円相当の牛肉を提供した」などの例があったという。「こういうルール違反はなくさなきゃ」

 事務所で報告すると、所長が「視点が候補者側に偏ってないか。依頼人が知りたいのは有権者にとっての価値だろ」と鋭く指摘した。明日香は「調べ直します」と慌てて飛び出した。

■シンクタンクに試算してもらうと…

 「経済学ではどう考えてるのかしら」。追手門学院大学教授の奥井克美さん(49)に聞くと、選挙の分析では「投票者が投票によって得られる報酬」=「自分の1票が選挙結果に影響を与える確率」×「自分の支持する候補者が当選した場合に得られる効用(満足度)と支持しない候補者が当選した場合の効用の差」―「投票に行くコスト」+「投票することの市民としての義務感」という式がよく使われるという。



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 「自分の1票で結果が変わる可能性が高いほど、価値は上がるわけですね」。逆に自分の票が結果に影響を与える確率がゼロに近いと、投票の価値はほぼ「義務感」―「投票のコスト」だけになる。「(交通費など投票にかかる)コストが変わったときに、価値がプラスになる(投票に行く)かどうかを分析する研究が多いですね」と奥井さん。

 どうも1票の価値の水準を求める式ではないようだ。困った明日香は、シンクタンクに1票の価値を試算してもらうことにした。

 ニッセイ基礎研究所の高山武士さんに意見を求めると「国の予算から計算してはどうですか」と試算を示した。政府予算(一般会計)は年間約90兆円。配分が投票結果で決まると考え、有権者約1億人で割ると1人当たり年90万円。「衆議院の任期は平均約3年なので1回の選挙で約270万円の価値があるといえそうです」と高山さん。

 明日香が驚くと、高山さんは「予算の半分は税収ではなく国債という“前借り”で賄われるので注意が必要です」と付け加えた。将来の自分にツケを回しているのと同じで、返済負担は平均余命の長い若者の方が重くなるという。

■高齢者、現役世代の2倍か

 「世代によって1票の価値に差がありそうね」。明日香は日本総合研究所を訪れチーフエコノミストの山田久さんに話を聞いた。「予算を、受け取る世代別に分けて考えてみましょう」と山田さん。例えば一般会計の教育関連支出は若い世代が受け取り、社会保障給付費のうち年金関連は65歳以上の人が受け取る。

 こう考えると、1年間に国から得る便益は65歳以上で1人126万円、65歳未満の有権者で58万円(2009年度)。予算配分の格差を解消するために「人数が減り政治への影響力が下がる若者には1人に1票以上与える案などを検討すべきです」と山田さん。

 「若者の投票率の低さが不公平な予算配分につながった可能性があります」。SMBC日興証券のエコノミスト、宮前耕也さん(33)はこう指摘する。前回選挙で20代の投票は49%、70代は80%だった。



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 内閣府の05年の試算では、1974~83年生まれの人は、社会保障の受益と負担のバランスが1世帯当たり生涯で約1660万円のマイナスだ。「これを、投票に来ない若者を政治家が冷遇した結果だと見なし、みんなが選挙に行けば負担超過をゼロにできると仮定します」。平均寿命までの間、衆院選が21回あるなら1回の投票の価値は約80万円。「ただし、若者みんなの投票が前提です」。明日香は「投票に行かないと不利な扱いを受けかねないわけね」と思った。

 「1票の価値の格差は地域間でもありますよ」。アジア太平洋研究所の副主任研究員、村上一真さん(38)は一般会計を国会議員数で割って1人あたりの「予算責任額」を算出。これを各小選挙区の有権者数で割ったという。

 例えば一番高い高知県第3区の1票の価値は議員の任期4年で約182万円。逆に千葉県第4区は76万円。実に2.4倍近い差がある。「最高裁で1票の格差が違憲状態だと指摘されたけど、金額で見ると改めて不公平感が募るわ」と明日香はまゆをひそめた。

 「投票しないと損だということがよく分かりました」。納得した依頼人を見送った所長が「久しぶりに投票したくなったな」。夫人の円子がくぎを刺した。「“負け馬”投票券を買う気じゃないでしょうね」

<昔は高額納税者の特権 「タダで投票」は国民運動の成果>

 日本で最初に総選挙が行われたのは1890(明治23)年7月1日。ちなみに投票日は今と違い火曜だった。選挙権は満25歳以上の男性で「直接国税を15円以上納めた者」だけに与えられた。

 当時の15円を現在の額に直すのは、比較できる消費者物価の統計がないため難しい。投票日の中外商業新報(後の日本経済新聞)に載った商品相場から単純計算すると数万円だが、有権者が総人口のわずか1%だったことからすると、もっと価値があったのは間違いない。例えば、税制は違うが確定申告した人の所得の上位1%から考えると1千万円程度になりそうだ。

 たくさん税金を納めた人だけの特権だった選挙だが、全員が喜んで投票に行ったわけではないようだ。投票から3日後の中外商業新報は「東京府民、政治思想の冷熱」の見出しで、東京府(当時)の選挙区で最大37%の棄権が出たと、批判的な調子で報じている。

 納税条件撤廃を求める国民の運動の結果、1900年に10円、19年には3円に引き下げられ、初選挙から35年後の25年に普通選挙法が成立する。ただ、25歳未満や女性に参政権はなかった。20歳になれば誰でも「タダ」で投票できる権利は、先人たちの努力で勝ち取ったものだ。