維新、「迂回寄付」による税還付を禁止の方針
政治家が政党支部を通じて資金管理団体に寄付金を還流させる「
日本維新の会は党の規約を改正し、迂回寄付による税還付を受けることを
禁止する方針を固めた。
また、松井幹事長は13日、
税還付を受けていた同党所属の衆院議員ら6人に対し、
修正申告などして還付金を国に返納するよう指示したことを明らかにした。
兵庫県伊丹市内で記者団に語った。
松井氏は、迂回寄付で税還付を受ける手法について、「納税者に理解されないような特権階級的な政治資金の流れはおかしい」と述べ、
所属議員に同様の手法をやめるよう通達を出したことを明らかにした。
一方で、自民党や民主党の議員にも迂回寄付が横行していたことに対し、
「他党のことは言えないが、政治家として、
僕は(他党も修正申告を)やるべきだと思う」と指摘した。
(2013年4月14日10時08分 読売新聞)
迂回寄付 笠松、関県議認める「合法で問題ない」
福井県
政党支部を利用した国会議員や地方議員らによる「迂回(うかい)寄付」が全国で相次いで発覚している。
県内でも、自民党県議の笠松泰夫氏(68)と関孝治氏(72)が、
同様の手法で所得税の還付を受けていたことが13日、読売新聞の取材でわかった。
いずれも「合法で、問題ない」などと意に介さないが、
一般の納税者にはできない節税対策にモラルを問う声が上がっている。(原典子、酒本友紀子、井上敬雄)
個人が政党に寄付して確定申告を行った場合、
寄付額の3~4割が所得税から控除されて還付される。
この優遇措置は、政治家が自らの資金管理団体に寄付しても適用されないが、
政党支部を経由させることで、還付の対象になる。

読売新聞は、問題の発覚を受け、県内の衆参両院議員と県議について
2009~11年の政治団体の収支報告書を調べた。
笠松氏は09~11年に自らが代表を務める党支部に
計759万5000円を計6回にわたって寄付。
支部は笠松氏の資金管理団体などに1190万円寄付の形で還流させていた。
笠松氏は「古いことは覚えていないが昨年は還付を受けている」とした上で、
「還流しているという意識はないし、法律違反ではない。
還付手続きに必要な寄付の認定書類は選管からもらっている。
これがだめだというのであれば法律で規制するべきだ」と話した。
関氏は10、11年、代表を務める党支部に計300万円を寄付し、
同じ年に支部から後援会に1370万円が寄付された。
関氏は「確定申告は会計事務所に任せており、詳しくは把握していなかった」と弁解。
同党県連の山本文雄代表代行も
「還付金の使い道が政治活動なら良いのではないか」と問題視していない。
これに対し、市民オンブズ福井の伊東晴美事務局長は
「本来なら納税者のために使われるお金だという意識が薄い。
政治活動の前にまず、きっちりと納税すべきで、
合法でも議員ならモラルを守って模範を示すのが筋だ。
市民に胸を張って言える行為なのかと問いたい」と批判した。
ある自民党県議も「10年ほど前に『所得税が控除される方法がある』
と聞いたことはあったが、社会通念上、許されないと思ったから、やらなかった。
実際に手続きをしていた人がいたとは……」とあきれていた。
(2013年4月14日 読売新聞)
政治家が300万寄付すれば90万戻る仕組み
「迂回寄付」で政治家が活用しているのが、所得税の「寄付金控除制度」だ。所得税法では、個人が公益団体に寄付した場合の優遇措置が定められている。
個人が国や自治体のほか、公益法人、認定NPO法人などに寄付した場合、
寄付額の約3~4割が所得税額から戻ってくるか、
所得額から寄付額(総所得の4割まで)が差し引かれる。
どちらかは納税者に有利な方が適用される。

こうした優遇措置で、寄付者は納税額が差し引かれる。
寄付した額の一部が税金で穴埋めされるわけだ。
その分だけ税収は減るが、公益性が高い寄付を国が後押しする狙いがある。
1994年に設けられた租税特別措置法の特例規定では、
政党や政治団体に対する寄付も寄付金控除の対象になる。
度々、癒着が問題になってきた企業献金頼みから、個人献金(寄付)を促すためで、
2014年12月31日までの時限規定だ。
個人が政党などに寄付した場合、
たとえば、手取り年収(課税所得金額)1000万円の人が年300万円を寄付すると、
その3割に当たる約90万円が還付される。
寄付しない場合の所得税は約176万円で、半額以上が戻ってくる。
(2013年4月12日10時39分 読売新聞)
迂回寄付、維新大阪市議も…自民市議時代
大阪維新の会の冨岡朋治大阪市議(70)が、自民党市議だった2007~10年の4年間に自らの寄付を
「自民党大阪市浪速区第二支部」を迂回させる形で後援会に還流させ、
所得税の還付を受けていたことがわかった。
収支報告書によると、09年に270万円を政党支部に寄付していた。
冨岡氏は「秘書任せで、詳細を把握していなかった。道義的な責任を感じる」としている。
(2013年4月11日13時42分 読売新聞)
維新・兵庫代表も迂回寄付…自民県議時代
迂回寄付問題で、日本維新の会兵庫県総支部代表の新原秀人衆院議員(50)も
2009~11年の自民党県議時代、
自身が代表を務める党支部に毎年700万円を寄付し、
同支部から自身の後援会に全額を迂回させるなどして
計4324万円の寄付を受けていたことがわかった。
迂回寄付、自民大阪は調査見送り…会長還付発覚
政治家が政党支部と資金管理団体などを使って寄付金を還流させる
「迂回 寄付」で所得税還付を受けていた問題で、自民党大阪府連が、
予定していた所属議員対象の府連会長名での自主調査を見送ることを決めた。
衆院議員の竹本直一府連会長自身が
迂回寄付で税を還付されていたことが発覚したため、「府連会長本人がやっていたのに、
府連が調査しても説得力がない」(同党府連幹部)と判断、
大阪府議団や大阪、堺両市議団、市町村議会の各組織に調査を引き継ぐ。
同党府連幹部は「迂回寄付は、政治家が自分の資金を動かすだけで税から利益を得る行為で、節税という言い訳はできない。
府連として調査はできないが、対応はしっかりしたい」と話している。
(2013年4月12日17時31分 読売新聞)
迂回寄付で税還付、自民党の京都市議2人も
自民党の京都市議2人が2009~11年、自身が代表を務める党支部に
それぞれ計450万~650万円寄付した上で、
自らの資金管理団体にそれを上回る資金を還流させていたことがわかった。
2人は取材に、政党支部を迂回 させることで税還付を受けたと認めている。
いずれも上京区選出の中村三之助市議(61)(党支部への寄付額計450万円)と寺田一博市議(47)(同650万円)。
中村氏は「党関係者から『税控除を受けられる手法がある』と教わり、
特に問題意識なく実践していた」と説明。
寺田氏は「還付目的だったわけではないが、有権者の誤解を招き、申し訳ない」と話した。
昨年からこうした処理は自主的に取りやめているという。
(2013年4月12日11時35分 読売新聞)
還付分、政治家の利益に…迂回寄付、続々発覚
国会議員や首長、地方議員らが政党支部と資金管理団体を使って
寄付金を還流させる「迂回 寄付」が相次いで発覚している。
政治家が直接、自らの資金管理団体に寄付した場合には
認められない所得税の還付を受けるのが狙いで、
「法の抜け道を使った脱法行為だ」との批判や、法規制を求める声が上がっている。
迂回寄付に基づく政治家の税還付について、市民グループ「税金オンブズマン」代表委員の関戸一考弁護士は、
「普通の納税者にはできない、政治家だけの特権だ。
『還付金詐欺』とも言える行為で、許されない」と批判する。
元々、政党などへの寄付に対する所得税還付の優遇措置は、
個人の政治献金を通じて、国民の政治参加を後押しすることが目的だ。
このため政治家自身が自分の資金管理団体や後援会に直接寄付しても、
「寄付者に特別の利益が及ぶ寄付」に当たるとされ、優遇措置の対象外となる。
迂回寄付は、こうした制限をすり抜ける手法だ。
政治家がいったん政党支部に寄付したうえで、
政党支部から自身の資金管理団体などに寄付する。
たとえ、政党支部に寄付したその日のうちに
全額を政党支部から自らの資金管理団体に移動させたとしても、
政党支部をトンネルすることで、政治家からの直接寄付とみなされず、
税還付の優遇措置を受けることができる。
大阪国税局OBの税理士は「違法行為と指摘するのは難しい」と語る。
還流先の資金管理団体などは自らの政治活動に資金を使うことから、
実質的に政治家の「もう一つの財布」(国会議員)と言われる。
今回のケースでも、政党を迂回して寄付金を還流させるだけで、自らが寄付金を使えるうえ、
寄付に基づく税還付分が丸々、“利益”として転がり込む格好だ。
本来、政治家が国に納めるはずだった税金の一部を政治家に投入しているに等しい。
まさに、錬金術だ。 (2013年4月12日10時39分 読売新聞)
迂回寄付、和歌山・奈良の衆院議員も
大阪府の衆院議員らが「迂回 寄付」を行っていた問題で、
和歌山県、奈良県の衆院議員も同様の手法で所得税の還付を受けていたことがわかった。
民主党の岸本周平衆院議員(56)(和歌山1区)は、
2009~11年に計3650万円を自身が代表を務める民主党支部に寄付、
同支部は計4700万円を岸本氏の資金管理団体に寄付していた。
岸本氏は取材に、所得税の還付を受けたことを認め、
「誤解を招く恐れがあり、今後は運用を改善したい」と説明した。
自民党の奥野自身が代表の党支部から資金管理団体に寄付を受けた後、自らが同支部に寄付。
奥野氏は「法律で認められた制度で、何の問題もない」と述べた。
(2013年4月12日10時10分 読売新聞)
泉佐野市長も3年間、迂回寄付「節税のつもり」
大阪府泉佐野市の千代松大耕 市長(39)は10日、読売新聞の取材に対し、
少なくとも2011年までの3年間、代表を務めている自民党支部に計450万円を寄付し、
一部を自らの後援会組織に還流させていたことを明らかにした。
千代松市長は毎年、所得税の還付を受けていた。
政治資金収支報告書などによると、千代松市長は10年に150万円を「自民党大阪府泉佐野市第1支部」に寄付。
その後、同支部から後援会組織「千代松大耕を育てる会」に、計約78万円を寄付した。
千代松市長は毎年150万円を寄付し、一部を還流させた。
千代松市長は、「節税のつもりでやった。法律の範囲内でやったつもりだが、
誤解を受ける会計処理で、市民に申し訳ない」と話した。
(2013年4月11日10時18分 読売新聞)
迂回寄付の維新大阪府議、門真市長選の出馬断念
地域政党・大阪維新の会の公認で6月の大阪府門真市長選への立候補を予定していた同党の宮本一孝府議(42)が10日、
「市長になれば税の徴収者になるが、有権者に信頼されるとは思えない」として、
出馬断念を表明した。
府庁で記者会見した宮本氏は迂回寄付に基づく税還付に触れ、
「自分のモラルが低く、勘違いしていた。市民に申し訳ない」と謝罪した。
還付を受けた所得税の修正申告を検討したが、
迂回先だった政党支部をすでに解散しているため手続きができないという。
(2013年4月11日13時17分 読売新聞)
迂回寄付の維新府議、門真市長選公認取り消しも
地域政党・大阪維新の会公認で6月の大阪府門真市長選に立候補予定の宮本一孝府議(42)が、政党支部を利用した
日本維新の会の松井幹事長は9日、東京都内で記者団に対し、「納税者に理解を得られない。
猛省すべきだ」と批判し、宮本氏の公認取り消しもあり得るとの考えを示した。
宮本氏は自民党府議だった2010年までの3年間に
計800万円を自らが代表者の自民党支部に寄付し、所得税の還付を受ける一方で、
同額を自らの後援会に還流させていた。
松井幹事長はこうした手法について、「違法ではないが、脱法的な感覚を納税者に持たれる」と指摘。宮本氏については「本人から話を聞いて考えるが、
民意とかけ離れていれば、党として応援する形にはならないのは当然」と述べ、
門真市長選での公認取り消しの可能性に言及した。
(2013年4月10日10時30分 読売新聞)
維新の衆院2氏も迂回寄付…自民地方議員時代に
日本維新の会国会対策副委員長の馬場伸幸衆院議員(48)(大阪17区)と、
同党の井上英孝衆院議員(41)(大阪1区)が、自民党の地方議員だった当時、
それぞれが代表を務めていた自民党支部を迂回 したうえで、
自らの資金管理団体などに寄付金を還流させていたことがわかった。
寄付額は馬場氏が415万円、井上氏が100万円に上る。
迂回寄付は、大阪府議らが所得税の還付を目的に行っていたことが発覚している。
政治家が自らの後援会や資金管理団体に直接寄付した場合、所得税の還付は受けられない。
馬場氏が代表者の政党支部と後援会の会計責任者を務める公設第一秘書は、
読売新聞の取材に対し、「所得税の還付を受けた」と認めた。
(2013年4月10日15時19分 読売新聞)
自民大阪府連会長が寄付還流
維新2衆院議員も
日本経済新聞 2013/4/11 12:11
自民党大阪府連会長の竹本直一衆院議員(72)=比例近畿=が
2011年、自身が代表を務める党支部に500万円を寄付した後、
自らの資金管理団体に還流させていたことが11日、分かった。
2011年、自身が代表を務める党支部に500万円を寄付した後、
自らの資金管理団体に還流させていたことが11日、分かった。
日本維新の会の馬場伸幸衆院議員(48)=大阪17区=と
井上英孝衆院議員(41)=同1区=が自民党の地方議員時代に、
同様の資金操作を行っていたことも判明。各議員は、
政党からの寄付に適用される所得税控除を受けていた。
井上英孝衆院議員(41)=同1区=が自民党の地方議員時代に、
同様の資金操作を行っていたことも判明。各議員は、
政党からの寄付に適用される所得税控除を受けていた。
政治資金収支報告書によると、竹本氏は11年3月2日に300万円、
同11月28日に200万円を、代表を務める「自民党大阪府第15選挙区支部」に寄付。
支部は同12月16日に竹本氏の資金管理団体「新国土研究会」に
850万円を寄付していた。竹本氏の秘書は「監査を受けており問題はない。
対応が必要になれば検討する」としている。
同11月28日に200万円を、代表を務める「自民党大阪府第15選挙区支部」に寄付。
支部は同12月16日に竹本氏の資金管理団体「新国土研究会」に
850万円を寄付していた。竹本氏の秘書は「監査を受けており問題はない。
対応が必要になれば検討する」としている。
馬場氏は堺市議だった09~10年、代表を務めていた自民支部に
少なくとも約415万円をいったん寄付し、支部が馬場氏の後援会に寄付し直した。
井上氏は大阪市議だった09年12月29日、
代表を務めていた自民支部に100万円を寄付。
同日中に108万円を自身の資金管理団体に寄付した。
少なくとも約415万円をいったん寄付し、支部が馬場氏の後援会に寄付し直した。
井上氏は大阪市議だった09年12月29日、
代表を務めていた自民支部に100万円を寄付。
同日中に108万円を自身の資金管理団体に寄付した。
租税特別措置法は、個人が政党や政治団体に寄付をした場合、
確定申告をすることで所得税の控除を受けられる。
一方、政治家が自らの資金管理団体に直接寄付する場合は
「寄付者に特別な利益が及ぶ」として控除が認められない。〔共同〕
確定申告をすることで所得税の控除を受けられる。
一方、政治家が自らの資金管理団体に直接寄付する場合は
「寄付者に特別な利益が及ぶ」として控除が認められない。〔共同〕