2013年3月4日月曜日

黒田氏、物価2%目標「2年念頭に」 国会で所信

2013/3/4 10:58 (2013/3/4 11:59更新)
 
衆院議院運営委員会は4日、政府が次期日銀総裁候補として提示した黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁から所信を聴取した。黒田氏は「2年ぐらいで2%の物価上昇率目標を達成することを念頭に大胆に金融緩和していく」と主張。具体的な手段は「より長期の国債の購入を増やすことが自然だ」と述べ、資産買い入れの規模や対象を広げる考えを示した。

「2%の物価安定目標を1日も早く実現」。日銀総裁候補として所信を述べる黒田東彦アジア開発銀行総裁(4日)
「2%の物価安定目標を1日も早く実現」。日銀総裁候補として所信を述べる黒田東彦アジア開発銀行総裁(4日)
 与党は15日までに衆参両院で人事案を採決することを目指す。衆院は5日に副総裁候補の岩田規久男学習院大教授、中曽宏日銀理事の所信を聴取する。正副総裁候補の参院での所信聴取の日程は未定。日銀の正副総裁人事は衆参両院の同意が必要。参院では与党が議席の過半数に達しておらず、参院第1会派の民主党の対応が焦点となる。
 黒田氏は所信聴取や与野党との質疑で、日銀が1月に導入した2%の物価上昇率目標を「一日も早く実現するのが責務だ」と述べた。「デフレ脱却に向けてやれることは何でもやるという姿勢を明確に打ち出す」とも強調した。達成時期は「個人的には2年ぐらいを念頭に置く」と語った。
 日銀のこれまでの金融緩和は「規模や資産買い入れの対象とも十分でない」と指摘した。日銀の現在の緩和策では、満期まで1~3年の国債を買い入れているが、黒田氏はさらに緩和効果を高めるため期限が長い国債を買い入れる案を示した。
 日銀は2013年末までに101兆円の資産を買い入れる現在の緩和策を改め、14年からは期限を定めず毎月13兆円ずつ国債などの資産を購入する「無期限緩和」に切り替えることを決めている。黒田氏はデフレ脱却の姿勢を強めるため、無期限緩和策を「当然、前倒しでの実施を検討すべきだ」と述べ、就任後すみやかに緩和手法を変更する考えも示した。

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 黒田氏は財務官を務めるなど財務省の有力OBの一人だが「財務省を離れて10年がたつ」と述べて、出自に対する野党の批判をかわした。また、日銀による外債購入は、海外から為替介入として受け止められる可能性があるとの認識を表明。「為替の安定の責任は政府にある」として、外債購入には慎重な考えを示した。
 白川方明日銀総裁は任期満了となる2人の副総裁とともに19日に辞職する。政府は白川総裁の後任に積極的な金融緩和を主張する黒田氏を起用する人事案を2月28日に国会に提示した。連立与党の自民、公明両党で全体の3分の2の議席を握る衆院では黒田氏らの人事案に同意する見通しだ。
 自民党の平沢勝栄氏、民主党の津村啓介氏、日本維新の会の中田宏氏、公明党の大口善徳氏、共産党の佐々木憲昭氏、生活の党の畑浩治氏、みんなの党の浅尾慶一郎氏らの質問に答えた。
 

日米欧、未踏の緩和へ 日銀次期総裁候補に黒田氏
政策の革新競争激しく 新興国との摩擦の火種に

                                2013/3/4 0:30
                          情報元        日本経済新聞 電子版
 
積極的な金融緩和を主張する黒田東彦氏が次期日銀総裁に就く見通しになった。日米欧でインフレ警戒よりも成長・雇用促進を重視する政策が鮮明になり、各中央銀行が量的緩和など非伝統的政策の革新を競う未踏の領域に入る。先進国の金融緩和は為替相場などを通じ新興国との摩擦の火種になりかねず、国際協調の重要性も一段と増す。
 「今の経済環境では、米連邦準備理事会(FRB)の資産買い取りなど金融緩和の利点は明白だ」。…
 

外為10時 円、下げ幅拡大し93円台後半 黒田氏発言や株高受け

                              2013/3/4 10:24
4日午前の東京外国為替市場で、円相場は下げ幅を拡大。10時時点は前週末17時時点に比べ1円01銭の円安・ドル高の1ドル=93円59~61銭近辺で推移している。日銀の次期総裁候補の黒田東彦・アジア開発銀行 (ADB)総裁が衆院議院運営委員会の所信聴取で「デフレ 脱却に向けやれることは何でもやるという姿勢を明確に打ち出していきたい」などと述べたことが伝わった。日銀が次期総裁の下追加の金融緩和に動くとの思惑が広がり、円の先安観から円売り・ドル買いが強まった。9時40分ごろ93円73銭近辺まで下落した。株式市場で日経平均株価 が堅調に推移していることも円売り材料となった。
10時前の中値決済については「ドルがやや不足している」(国内銀行)との観測が出ていた。
朝方から円売り・ドル買いが優勢だった。米経済指標が堅調だったことを背景に投資家が運用リスクを積極的にとる動きが強まり、前週末の海外市場で低金利で調達通貨とされる円が売られた流れを引き継いだ。
円は対ユーロ で安値圏でもみ合い。10時時点では同72銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=121円77~80銭近辺で推移している。黒田ADB総裁の発言をきっかけに、対ユーロでも円売りが出た。一方、欧州経済の先行き不透明感を背景にユーロが対主要通貨で売られやすい地合いが継続し一進一退となっている。
ユーロは対ドルで下げ幅を拡大。10時時点では同0.0066ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.3009~12ドル近辺で推移している。米経済が上向いているとの観測が広がっていることを受け、対主要通貨でドル買いが入りやすい地合いが続いている。欧州の経済指標の低迷を背景に、欧州中央銀行 (ECB)が追加の利下げに動くとの思惑で、ユーロが対主要通貨で売られやすかった。
豪ドルは対米ドルで下げ幅を縮小。10時時点では同0.0036ドルの豪ドル安・米ドル高の1豪ドル=1.0184~87ドル近辺で推移している。2月の豪住宅着工許可件数が市場予想を下回ったことを受け、豪州経済が下振れするとの思惑で豪ドル売り・米ドル買いが強まった。一時1.0180ドル近辺と、2012年10月9日以来約5カ月ぶりの豪ドル安・米ドル高水準を付けた。もっとも前年比では指数が上向いていた。「昨年と比べると住宅市場の動向は改善している」(国内証券)との見方で、一段の豪ドル安は進まなかった。

黒田氏「緩和手法は日銀に任せるべき」「政府と連携で高い効果」
                         2013/3/4 10:15

日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁は4日午前、衆院議院運営委員会の所信聴取で、「具体的な金融緩和の手法は日銀に任せるべきだ」との認識を示した。そのうえで政府と日銀が緊密に連携する必要性に触れ「金融政策は政府の経済政策と整合性を持って運営することで、より高い効果を発揮できる」とも強調した。
 共同声明に関し「日銀は自らの責任において物価安定目標の早期実現を目指して金融緩和を推進するものだ」と語った。同時に「政府が実需を創り出し、消費、投資の拡大を通じて賃金、雇用を改善することができればそこからさらなる物価上昇につながる好循環も期待できる」と指摘した。また市場から信認低下による金利上昇回避のために「中長期的な財政健全化に取り組むことも重要」と述べた。
 

黒田氏「日銀の金融政策、為替下落狙ってない」
                         2013/3/4 10:08

日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁は4日午前、衆院議院運営委員会の所信聴取で、安倍晋三内閣が掲げる財政出動、大胆な金融緩和、成長戦略の「3本の矢」について「現在の日本経済の課題を克服していくという方向は正しい」との認識を示した。
 日銀のとるべき対応としては「大胆な金融緩和をおこなうことで2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することだ。それは可能であり、そうしなければならない。それが日銀の使命だ」と述べた。
 先進国の金融緩和に対して新興国から批判があることについては「日銀の金融政策が為替の下落(円安)を狙っているのものでは全くない」と反論。「大胆な金融政策をとって、できるだけ早期に達成するということは、日本にとっていいことだけでなく、アジア・世界経済にとっても好ましいことだ」との考えを示した。
 自民党の平沢勝栄氏への答弁


黒田氏、06年の量的緩和解除「明らかに間違っていた」
                       2013/3/4 11:17

日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁は4日午前、衆院議院運営委員会の所信聴取で、2006年に日銀が決めた量的緩和の解除について「デフレが続いているなかで金融緩和を止めるのは明らかに間違っていた」と述べた。
 さらに「2000年に量的緩和をいったんやめた際、政府は議決延期を要求したが政策委員会で否決され、ゼロ金利が止まった。今からみると間違っていた」と指摘。政府と日銀の関係について「必ずしも十分な連携・協調がおこなわれていなかったのではないかという反省をすべきだ」との考えを示した。
 公明党の大口善徳氏への答弁

黒田氏、日銀「為替について何かすることはあり得ない」
                        2013/3/4 11:25

日銀総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行総裁は4日午前、衆院議院運営委員会の所信聴取で「日銀の目標は物価の安定なので、為替について何かするということはあり得ない」との立場を示した。
 「為替レートは基本的に市場で決まる形であるべきだ」と指摘。「経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)から離れた時には、政府が介入することはあるが、国際的な調整は十分考慮していかなくてはならない」と述べた。
 公明党の大口善徳氏への答弁
 

日経平均、一時150円高 「黒田氏発言」の評価は プロの見方

                         2013/3/4 12:09
 
4日の東京株式市場で日経平均株価は一時上げ幅が150円を超え、昨年来高値(1万1662円)を上回る1万1767円を付ける場面があった。日銀次期総裁候補の黒田東彦アジア開発銀行(ADB)総裁が衆院での…




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