2013年5月10日金曜日

内閣府、GDPを訂正

(底流)内閣府、GDPを訂正 「単純ミス」チェック体制甘く
                                                      2013/5/10付   日本経済新聞

 国内総生産(GDP)の統計数字にミスがあったことに内閣府が揺れている。
GDPは国の最も重要な統計の一つだが、
民間エコノミストに指摘されるまで気づかなかった。
内閣府はチェック体制の整備にアタマを悩ませている。

 大型連休を前にした4月26日。
内閣府の国民経済計算部に一本の電話が入った。
「2012年10~12月期のGDPに計算ミスがありませんか」。
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストの問い合わせだった。
連休明けの5月7日、
内閣府は年率換算で前期比1.3%減としていた10~12月期の名目GDPを0.5%減に訂正した。

 訂正の原因は表計算ソフトを「疑わなかった」ことだ。
算出した数値を統計にまとめるときには何重にもチェックするが、
計算式までは検証していなかった。
内閣府は「チェック人数を増やしたり、方法を工夫したりして再発防止に努める」と話す。

 国境を越えた経済活動が広がり、
多様なサービスが生まれる今の経済活動を反映するGDPの計算は複雑になる一方だ。
内閣府の職員は「統計を作成するための作業量は増える傾向にある」と明かす。

 統計への信頼は国への信頼だ。内閣府は今回の一件の後も、
公には原因や再発防止策を明らかにしていない。
ミスが起こった体制を改めないままでは、再びこうしたことが起きる懸念は拭えない。
そんなことで、「官庁エコノミストの最強集団」である内閣府の誇りは保てるのだろうか。

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