2013年5月22日水曜日

世界で最も影響力のある女性ランキング

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(2013年5月22日 Forbes.com)

 フォーブスの「世界で最も影響力のある女性 2013」には著名政治家や企業経営者、富裕な活動家、セレブたちが名を連ねる。こうした女性たちとともに、トップ100人には次世代の起業家やメディア専門家、技術者、慈善活動のリーダーなども肩を並べている。資産額やメディア露出度、影響力をもとにランク付けした。



世界で最も影響力のある女性 上位10人
順位 名 前 肩 書
1 アンゲラ・メルケル 独首相
2 ジルマ・ルセフ ブラジル大統領
3 メリンダ・ゲイツ ビル&メリンダ・ゲイツ
財団共同会長
4 ミッシェル・オバマ 米大統領夫人
5 ヒラリー・クリントン 前・米国務長官
6 シェリル・サンドバーグ 米フェイスブック
最高執行責任者
7 クリスティーヌ・ラガルド IMF専務理事
8 ジャネット・ナポリターノ 米国土安全
保障省長官
9 ソニア・ガンジー インド国民会議派
総裁
10 インドラ・ヌーイー 米ペプシコCEO
フォーブスがまとめた「世界で最も影響力のある女性 2013」上位10人。トップ100に日本人はランクインしていない

 フォーブスが選んだのは、政界・経済界の実力者といった従来の分類の枠を超えた女性たちだ。権威や権力といった我々の持つ概念自体、こうした変革を進める人物たちの活躍によって変わってきており、その過程で、世界はより生き生きと活気に満ちた方向に変容している。

 今年の100人には、9つの国のリーダーがいる。該当する国の国内総生産(GDP)を合計すると11兆8000億米ドルに上る。その1人が、1位に選ばれたドイツのアンゲラ・メルケル首相だ。100人のリストのうち24人の最高経営責任者(CEO)が経営する企業の年間売上高は合わせて8930億ドル。16人は自分の企業を立ち上げた人たちだ。今回初めて選ばれた富豪3人のうち2人は、ファッションブランド「トリー・バーチ」創業者のトリー・バーチ氏とインナーウエアブランド「スパンクス」創業者のサラ・ブレークリー氏である。全体では14人の富豪が選ばれ、資産額はあわせて820億ドルを超える。

 2013年世界で最も影響力のある女性の内訳をざっと見てみよう。
■新顔

南大門の復元記念式で市民に手を振る韓国の朴大統領(4日、ソウル)=共同
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南大門の復元記念式で市民に手を振る韓国の朴大統領(4日、ソウル)=共同



 今年初めてトップ100に入ったのは15人。韓国の朴槿惠大統領(11位)、ロッキード・マーチンCEOのマリリン・ヒューソン氏(34位)、トリー・バーチ氏(69位)、サラ・ブレークリー氏、インターネット検索サービス会社の百度(バイドゥ)最高財務責任者(CFO)、ジェニファー・リー氏(98位)などだ。

■常連

 10回目の発表となった今回、注目されたのは、初回の2004年にトップ100に入っていた顔ぶれで、今回も残っている15人だ。テレビ司会者のオプラ・ウィンフリー氏(13位)は当然のようにランクイン。ヒラリー・クリントン氏(5位)も揺るがない。



国際通貨基金(IMF)のラガルド氏。この日は職権乱用疑惑で事情徴収が行われた(23日、パリ)=AP
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国際通貨基金(IMF)のラガルド氏。この日は職権乱用疑惑で事情徴収が行われた(23日、パリ)=AP

 さらに、国際通貨基金(IMF)専務理事のクリスティーヌ・ラガルド氏(7位)、インドの政治家ソニア・ガンジー氏(9位)、米ペプシコCEOのインドラ・ヌーイー氏(10位)、国連開発計画(UNDP)総裁のヘレン・クラーク氏(21位)、米下院議長を務めたナンシー・ペロシ氏(22位)、米ディズニーABCテレビジョングループ社長のアン・スウィーニー氏(24位)、米ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント共同会長のエイミー・パスカル氏(36位)、英エリザベス2世(40位)、フィデリティ・インベストメント フィナンシャル部門社長のアビゲイル・ジョンソン氏(60位)、テマセクCEOでリー・シンガポール首相の配偶者であるホー・チン氏(64位)、ジャーナリストのダイアン・ソーヤー氏(73位)、『ハリー・ポッター』シリーズで知られる作家のJ・K・ローリング氏(93位)、米フォックス・ニュースのアンカー、グレタ・バン・サステレン氏(97位)だ。



■ナンバーワン

閣僚会合に到着したメルケル首相。首相府長官の誕生日に贈る花を持ち上げた(15日、ベルリン)=AP
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閣僚会合に到着したメルケル首相。首相府長官の誕生日に贈る花を持ち上げた(15日、ベルリン)=AP



 独のメルケル首相は10年で8回ランクイン。そのうち7回が1位だった。



■女性初

 トップ100のうち40%は「女性で最初に○○した人」だった。例えば、アフリカ初の国家元首(リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ氏)、ギビング・プレッジという社会貢献キャンペーンに参加を表明したサラ・ブレークリー氏、米IBMのジンニ・ロメッティCEOら。もっと際立っているのは、複数の「最初」という記録をもつ女性だ。アイビーリーグ大学初の女性学長で、女性初のロックフェラー財団のトップでもあるジュディス・ロディン氏、そしてヒラリー・クリントン氏も同様だ。

スピーチするクリントン前国務長官(2月、ワシントン)=AP
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スピーチするクリントン前国務長官(2月、ワシントン)=AP
■ヒラリー健在

 クリントン氏の経歴は「最初」のオンパレードだ。ファーストレディーから米上院議員を経て大統領候補となり、国務長官になった唯一の女性。現在は一市民だが、クリントン氏は世界で最も注目され、発言に関心が集まる女性であり続けている。2016年大統領選で民主党の大統領候補となるとの見方が優勢で、自由主義圏の次代のリーダーと目されている。クリントン氏は今も、発言を控えるなどということは考えていないようで、1回につき20万ドルとも推計される講演料で先月は講演に回り、1400万ドルと言われる本の出版契約も結んでいる。



■技術畑のリーダー

米フェイスブックのサンドバーグCOO(2012年10月、ニューヨーク)=ロイター
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米フェイスブックのサンドバーグCOO(2012年10月、ニューヨーク)=ロイター



 「最も影響力のある女性たち」に技術者部門が設けられて今回が2回目となる。トップ25人中、5人が技術者部門からランクインした。米フェイスブックのシェリル・サンドバーグ氏(6位)、米IBMのロメッティ氏(12位)、米ヒューレット・パッカードのメグ・ウィットマン氏(15位)らだ。技術者部門に入ったのは全部で16人。米グーグルのスーザン・ウォジスキ広告担当上級副社長や、華為技術(ファーウェイ)会長の孫亜芳氏(77位)らがいる。





女優とともにイベントに現れたバーチ氏(中央。6日、ニューヨーク)=ロイター
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女優とともにイベントに現れたバーチ氏(中央。6日、ニューヨーク)=ロイター

■台頭する女性起業家

 今回顕著だったのは、自らが創業者だったり、創業した会社のオーナーだったりという女性の多さだ。その多くが自らの名前を冠したブランド自体が、ファッションの最先端をリードする存在になっている。ミウッチャ・プラダ氏(58位)、ザラの創業者、ロザリア・メラ氏(66位)、トリー・バーチ氏、ダイアン・ファン・ファステンバーグ氏(74位)、などが選ばれた。この他の起業家たちには、オプラ・ウィンフリー、米インターネットメディア「ザ・ハフィントン・ポスト」編集長のアリアンナ・ハフィントン氏(56位)、中国の不動産王、張欣氏(50位)、インド初のバイオテクノロジー企業を起業したキラン・マズムダル・ショウ氏(85位)などが並ぶ。
■セレブたちの新たな役割

主要8カ国(G8)外相会合の1つに出席した米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん。乳がん予防のため乳房を切除したと今月告白した=ロイター
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主要8カ国(G8)外相会合の1つに出席した米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん。乳がん予防のため乳房を切除したと今月告白した=ロイター



 単に有名人であるだけでなく本業以外でも、重要なテーマの広報大使のような活動やビジネスへの進出など十分に注目に値する活躍をしている。オプラ・ウィンフリー氏はハーポ・プロダクションと南アフリカでOprah Winfrey Leadership Academy for Girlsを設立した。国連の活動に協力するのはアンジェリーナ・ジョリー氏(37位)、シャキーラさん(52位)、ジゼル・ブンチェン氏(95位)。ビヨンセさん(17位)はファッションブランドの「House of Dereon」を取り仕切る。ソフィア・ベルガラ氏はタレントマネジメント会社「LatinWE」を共同経営している。





「アジアの未来」で演説するタイのインラック首相(24日、東京)=ロイター
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「アジアの未来」で演説するタイのインラック首相(24日、東京)=ロイター

■アジアで急増するビジネスウーマン

 アジア地域では中国やシンガポールからニュージーランド、タイに至るまで、全体的に活躍が目立つ。起業家の台頭は目覚ましく、張欣氏、孫亜芳氏、香港のソリーナ・チャウ氏らが名を連ねる。また、アジアでは政治でトップに就く女性が多い。新顔では韓国大統領の朴槿惠氏。このほか、ミャンマーの反体制活動家で国会議員のアウン・サン・スー・チー氏(29位)、豪首相のジュリア・ギラード氏(28位)、タイ首相のインラック・チナワット氏(31位)がランクインした。



■世界を癒やす、養う、導く

 企業や国のトップに就いている人以外で、トップ100に入った顔ぶれには、NPOやNGOを率いる人たちがいる。彼女たちは巨額の予算を取り仕切り、大きな影響力を持つ。ゲイツ氏やIMF専務理事のラガルド氏、世界保健機関(WHO)事務局長のマーガレット・チャン氏(33位)、世界食糧計画(WFP)事務局長のアーサリン・カズン氏、ハーバード大学のドリュー・ギルピン・ファウスト氏などだ。

By Caroline Howard, Forbes Staff

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