2012年11月8日木曜日

12年度上半期の経常黒字、過去最少の2兆7214億円

                                                                          2012/11/8 10:27
 財務省が8日発表した2012年度上半期(4~9月期)の国際収支速報によると、モノやサービス、配当、利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2兆7214億円の黒字となった。年度上期としては現行の統計を開始した1985年以来の最少だった。

画像の拡大


 同時に発表した9月単月の経常収支は5036億円の黒字。ただ月による特殊要因を除いた季節調整済みでは1420億円の赤字となった。第2次石油ショックの影響で輸入額が拡大した1981年3月以来、31年半ぶりの経常赤字だった。

 12年度上半期の経常黒字は前年同期から41.3%減った。輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字幅が2兆6191億円となり、年度半期ベースとしては85年以来で最大となったことが響いた。

 欧州債務問題の影響で欧州向け輸出が前年同期比16.2%、中国向けが8.2%減少。商品別では自動車や船舶が落ち込んだ。一方、火力発電所の稼働が拡大し、液化天然ガス(LNG)の海外調達が増えたため、輸入額は3.4%増えた。

 旅行や輸送の動向を示すサービス収支は1兆6791億円の赤字。訪日外国人観光客が増えて旅行収支の赤字幅は縮小したものの、貿易縮小により商社の手数料収入が減った。

 企業が海外投資から受け取る利子・配当などを示す所得収支の黒字幅は2.1%増え、7兆5024億円だった。
 

10月の街角景気、3カ月連続で悪化 「さらに弱く」
指数2.2ポイント低下                    2012/11/8 14:01

 内閣府が8日発表した10月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、街角の景気実感を示す現状判断指数は39.0で、前月比2.2ポイント低下(悪化)した。悪化は3カ月連続。
 基調判断は「このところ弱まっている」から「さらに弱まっている」に変更した。
 

内閣府が8日発表した10月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比2.2ポイント低下の39.0と、3カ月連続で悪化した。指数が40を下回るのは2011年5月(36.0)以来、1年5カ月ぶり。内閣府は基調判断を前月の「このところ弱まっている」から「さらに弱まっている」へ下方修正した。判断を引き下げるのは2カ月連続。 2012/11/8  15:24

 沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡る日中関係の悪化懸念が一段と強まった。中国や尖閣問題に関連するコメント数は83と、9月調査の59から増えた。「海外旅行は急激に落ち込んでいる」(近畿の都市型ホテル)、「中国への販売が厳しくなっている」(北陸の精密機械器具製造業)など声が相次いだ。

 エコカー補助金終了に関しては「来店客数・販売台数とも激減している」(四国の乗用車販売店)といい、反動減の影響がみられ始めた。世界経済の減速を背景に「製造業の求人意欲が相変わらず鈍い」(中国の人材派遣会社)と指摘があった。

 先行き判断指数は1.8ポイント低下の41.7と6カ月連続で悪化。現状・先行きとも好不況の分かれ目となる50を6カ月連続で下回った。全国的に景況感が悪化するなか、近畿の先行き判断指数は改善した。阪急百貨店うめだ本店の増床開業などで「年末にかけて徐々に活気を取り戻す感じがする。年賀状印刷の受注も昨年を上回っている」(コピーサービス業)という。

 調査は景気に敏感な小売業など2050人を対象と、3カ月前と比べた現状や2~3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。

0 件のコメント:

コメントを投稿