2012年11月6日火曜日

景気「すでに後退局面の可能性」

景気「すでに後退局面の可能性」 3月がピークか
                           9月の一致指数、6カ月連続マイナス
                                                           2012/11/6 19:21

 内閣府が6日発表した9月の景気動向指数(2005年=100、速報値)によると、景気の現状を示す一致指数は91.2となり、前月比2.3ポイント低下した。下降は6カ月連続。内閣府は基調判断を「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正し、「すでに景気後退局面に入った可能性が高い」との暫定的な判断を示した。


 日本経済は2009年3月を谷とする景気拡大局面が続いていた。景気のピーク(山)の時期は有識者による景気動向指数研究会の議論を経て内閣府が正式に判定するが、民間エコノミストには「今年3月がピークだった可能性が高い」(第一生命経済研究所)との見方が目立つ。

 一致指数を下押ししたのは自動車関連の出荷や生産の落ち込みだ。海外景気の減速で自動車の輸出が低迷し、エコカー補助金の終了によって国内の販売も減り、出荷や生産が停滞した。生産の落ち込みは製造業を中心に残業時間や求人の減少につながり、雇用にも波及している。

 「下方への局面変化」は景気の山がそれ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す。東日本大震災直後の昨年5月以来1年4カ月ぶりに局面変化と判断した。10月も指数がさらに低下すれば、基調判断は景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」に下方修正される。

 数カ月後の先行きを示す先行指数は1.5ポイント低下の91.7と2カ月ぶりに下がった。生産活動の停滞を受けて原材料などの在庫が増えたためだ。製造業での新規求人の減少も響いた。景気に数カ月遅れる遅行指数は0.6ポイント低下の86.7と2カ月ぶりに低下した。

 内閣府は先行きについて「世界経済のさらなる下振れや輸出の減少を注視していく必要がある」としている。

 景気動向指数は景気が上向きか下向きかを把握するのに適した経済指標で構成し、基調は機械的に判定される。経済全般に関する政府の総括な評価は毎月の月例経済報告で示される。

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