2013年2月13日水曜日

工作機械月間受注額800億円割れ 1000億円が好不調目安

工作機械受注、800億円割れ 34カ月ぶり
1月26%減、中国などアジア低調             2013/2/13付

 日本工作機械工業会(東京・港)が12日発表した1月の工作機械受注額(速報値)は720億1800万円と前年同月比26.1%減だった。マイナスは9カ月連続で、34カ月ぶりの800億円割れ。中国などアジアが低調なほか、昨年は好調だったスマートフォン(スマホ)製造向けの需要が低迷したことも影響した。
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 工作機械は月間受注額で1000億円が好不調の目安とされる。2012年10月に900億円台、11、12月に2カ月連続で800億円台となり、今年1月は800億円も割り込んだ。

 1月は輸出が30.9%減の480億2100万円と大きく落ち込んだことが全体の受注額を押し下げる要因となった。外需は4カ月連続のマイナスで500億円を割るのは10年2月以来、35カ月ぶり。

 外需の落ち込みが続いている主因は、受注額の25%程度を占める中国向けの受注回復が遅れていることにある。自動車向けや建設機械向けなど主要業界の需要が低調で、「引き合いはあるが、成約するまでに時間がかかっている」(牧野フライス製作所)状況。ただ、中国向けは同国のインフラ投資などが上向けば、「年半ばぐらいから緩やかに回復する」(同社の牧野二郎社長)との見方もある。

 昨年1月ごろは受注額を押し上げていたスマホ製造向けの需要も一服感がある。スマホ製造向けに多く収めるツガミの1月の受注実績は前年同月比で5割近くのマイナスと大きく落ち込んだ。ファナックも1月、13年3月期の業績を下方修正した。

 受注額の3割程度を占める国内需要の落ち込みも続いている。1月は239億9700万円で14%減。円高修正で国内輸出産業の設備投資が回復するとの期待もあるが、同工業会は「効果が出るまでには、もう少し時間がかかる」と分析する。

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