2013年6月21日金曜日

日銀当座預金、83兆円

日銀当座預金、83兆円に 過去最高 インフレ期待なお弱く

金融機関が日銀に預ける当座預金残高が20日、83兆円を超え、過去最高を更新した。日銀が4月に導入した量的・質的金融緩和前と比べ、ほぼ2倍になった。日銀は金融市場に大量の資金を供給してデフレ脱却を目指すが、市場の期待インフレ率は低下しており、乗り越えるべきハードルは依然残っている。
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 20日の当預残高は速報ベースで前日比7兆3700億円増の83兆3400億円になった。国債の償還や、日銀が金融機関の融資増加分に対して低利資金を供給する新たな資金供給制度の影響で残高が膨らんだ。
 日銀は今後2年間でマネタリーベース(資金供給量)を2倍に増やす目標を掲げている。その主要な手段になるのが、金融機関が保有する国債を大量購入し、金融市場に資金を流し込むことだ。日銀は当預残高が2013年末に107兆円、14年末には175兆円まで増えると見込んでおり、緩和規模を着々と拡大させている。
 これに対し、物価連動国債の利回りから算出する期待インフレ率は5月に入ってから低下基調をたどる。日銀の岩田規久男副総裁は3月の就任前の講演で「当座預金が10%増えると予想インフレ率は0.44%上昇する」と語ったが、必ずしも想定通りにインフレ期待は高まっていない。
 市場では「当預残高が積み上がることの効果は乏しく、金融機関の融資増加などがカギになる」(東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト)との指摘も出ている。

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