2013年6月29日土曜日

2013年 平成25年度1/4期 円株・金融市場動向

金融市場、不安心理が後退 各国中銀相次ぎ「火消し」

          2013/6/28 23:06
 動揺が続いていた金融市場で、過度な不安心理が薄れつつある。28日の東京市場では円相場が約3週間ぶりの円安水準となり、株式市場では日経平均株価が今年3番目の上げ幅を記録するなど「円安・株高」となった。米金融緩和の早期縮小や中国の金融不安が重荷となっていたが、米欧中の中央銀行幹部が相次ぎ「火消し」に動き、市場をひとまず沈静化させた形だ。
 28日の東京外国為替市場では円相場が一時1ドル=99円台に下落。6月中旬には93円台に上昇したが、再び円安・ドル高基調に転じた。株式市場でも日経平均が2日続伸し、計843円(7%)上昇。心理的な節目の1万3000円を上回った。
 市場動揺の起点になったのは米連邦準備理事会(FRB)だ。19日にバーナンキ議長が年内の緩和縮小の方針を示したのを受け、米市場で株安・債券安(金利上昇)が進行。新興国市場からの資金流出や中国の金融市場混乱も重なり、世界的に運用リスクを避ける傾向が強まっていた。
 反転のきっかけをつくったのも、米欧中の中央銀行幹部による「火消し」発言だ。
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 25日には、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が緩和継続の方針を強調。当のFRBも幹部が緩和縮小の時期を遅らせる可能性に言及し、市場の動揺を抑える戦略をとった。
 もう一つの震源地である中国。中国人民銀行(中央銀行)が「影の銀行(シャドーバンキング)」対策で市場への資金供給を絞り、株安を招いた。だが、28日には周小川総裁が「市場の安定を守る」として資金供給に柔軟な姿勢を示し、不安心理の払拭に動いた。

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 市場混乱への危機感を共有した各国中銀幹部の発言で「過度に悲観的だった投資家心理が持ち直した」(大和証券の成瀬順也チーフストラテジスト)。
 日銀も28日に計6400億円の長期国債の買い入れオペ(公開市場操作)を実施、6月の買い入れ総額は8兆円を超え、過去最高となった。当初月間7兆円強とした買い入れ額を柔軟に増やす姿勢を示し、国内の長期金利は足元で0.8%台で落ち着きつつある。
 28日は三菱地所など不動産株が軒並み上昇。三井住友フィナンシャルグループなど銀行株も買われ、相場全体を底上げした。金利の不安定さを背景に売られていたが、金利が落ち着き「割安感が出てきた」(メリルリンチ日本証券の神山直樹チーフストラテジスト)。
 円安による輸出企業の採算改善期待も大きい。製造業では13年度の業績予想の前提を1ドル=90~95円とする企業が多い。大手証券の試算では、1ドル=100円を前提に国内企業の業績を予想し、割り出した日経平均の適正水準は1万3000円台から1万4000円台との声もある。
 もっとも、市場参加者の間では米国の金融政策や中国の金融不安への警戒感はなお根強い。「1ドル=100円は視野に入るが、もう一段円安が進むほどの力強さはない」(国内銀行)との声もあり、このまま円安・株高が進むかは不透明だ。
 28日の米株式市場では景気指標の悪化を受け、ダウ工業株30種平均が反落、下げ幅は一時120ドルを超えた。来週は米雇用統計など重要な経済指標の発表も相次ぐ。「当面は値動きの荒い展開が続く」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)との見方が多い。
 
東証大引け、大幅続伸 円安・米株高で今年3番目の上げ、6月期末を意識も
 
                              2013/6/28 15:30
 6月最終営業日となった28日の東京株式市場で日経平均株価 は大幅に続伸した。終値は前日比463円77銭(3.5%)高の1万3677円32銭だった。上げ幅は今年3番目の大きさで、5月31日(1万3774円)以来、1カ月ぶりの高い水準を付けた。前日の米株式相場の上昇や円相場の下落を好感した買いが先行した後も、断続的な買いに支えられて徐々に上げ幅を拡大した。海外機関投資家の買いや仕掛け的な株価指数先物買いが上げを主導したとの見方が多い。
 一部海外投資家の決算期にあたる6月末を迎え、株価水準を押し上げておきたいとするドレッシング(お化粧)買いが終日入っていたとの指摘も聞かれる。日経平均は5月22日に年初来高値を付けた後、大幅に下落する場面もあっただけに、株価指数だけでなくこれまで大きく調整してきた不動産株などにも買いを入れる動きが目立った。連日での相場急伸で、強気に転じた投機マネーによる先物買いも活発化したという。
 上海株式相場が小幅ながら朝安後上げに転じたことや、円相場が一時1ドル=99円台まで下落したことが材料視される場面もあった。日経平均が、これまで上値抵抗として意識されてきた25日移動平均を上回ったことも、買い安心感を誘ったという。ただ、前日(379円高)に続く需給主導の上昇について、市場では「やや上げが急ピッチ過ぎる。売買高の増加も限定的で、来週は反動で調整する場面もありそう」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部長)と、先行きに慎重な見方も聞かれた。
 東証株価指数 (TOPIX)も大幅に続伸した。
 東証1部の売買代金は概算で2兆6078億円、売買高は31億9097万株と最近では活況だった。東証1部の値上がり銘柄数は1602、値下がり銘柄数は82、変わらずは28だった。
 トヨタ が売買を伴って上昇し、6000円台を回復する場面があった。三菱UFJみずほFG三井住友FG がそろって上昇し、マツダ野村ソフトバンク富士重ソニー が買われた。菱地所三井不 が連日の大幅高。ファストリ は1銘柄で日経平均を80円近く押し上げた。丸紅伊藤忠 が小幅に下落し、カーバイドJパワー の下げが目立った。
 東証2部株価指数は大幅に続伸した。朝日インテク高木不二サッシM2J が上昇した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕




  

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