2012年9月9日日曜日

「維新」国会議員らと討論会 9月9日 19時23分NHK Webニュース

大阪市の橋下市長が率いる大阪維新の会は、新党「日本維新の会」の結成に向け、新党への合流を目指す7人の国会議員らと、基本政策「維新八策」を巡る討論会を開き、橋下市長は、「みんな価値観は一緒だと思う」と述べました。

9日の討論会には、大阪維新の会の代表を務める大阪市の橋下市長、幹事長を務める大阪府の松井知事らと、民主党の松野元官房副長官、石関衆議院議員、水戸参議院議員、自民党の松浪衆議院議員、みんなの党の上野参議院議員、小熊参議院議員、桜内参議院議員の合わせて7人の国会議員、それに東国原前宮崎県知事ら地方自治体の長やその経験者らが出席しました。
討論会では、冒頭、橋下市長が「国政には多くの国民が不満を抱いている。政治グループは、同じ価値観のメンバーが集まらなければ、政治決定ができない。われわれはすべてにおいて、方向性を決定するグループの結成を目指しており、本当に価値観が一緒かどうか確かめあう場にしたい」と述べました。
そして、統治機構の見直しなどを巡って意見が交わされ、新党への合流を目指す、民主党の松野元官房副長官は「総理大臣官邸に財務省の企画立案部門を移すなどして、機能強化を図る必要がある。また『決められる国会』を実現するための国会改革も行わなければいけない」と述べました。
また、東国原前宮崎県知事は「維新の価値観は、体制や意識を変えようという、ユーザーサイドに立つ大きな転換だ。今までだめだったのだから、体制を変えるんだということを前提にすべきだ」と述べました。
こうした意見交換を踏まえ、橋下市長は「みんな価値観は一緒だと思う。最初から一致しているからきょう参加してもらったが、それを発信できた」と述べました。
一方で、橋下市長は「原子力発電所に対する考え方は、ちょっと気になるところがある」と述べたほか、9日は、「維新八策」に盛り込まれた衆議院の議員定数の半減などについては、意見は交わされませんでした。
大阪維新の会としては、9日の討論を通じて、価値観が共有できることは確認できたとしていて、「日本維新の会」の結成にあたって、討論会に参加した国会議員らが、所属する政党を離党することを条件に新党への合流を認める方向で最終調整を行う方針です。

松野氏“おおむね価値観は一致した”

民主党の松野元官房副長官は、記者団に対し「討論会を通じて、橋下市長ら大阪維新の会と、おおむね価値観は一致したと思っている。非常に考え方は近いと感じており、東京に戻って、この7人のメンバーで相談して、新たに結成される『日本維新の会』に参加するかなどの結論を出したい」と述べました。

松浪氏“議論はおおむね一致”

自民党の松浪健太衆議院議員は、記者団に対し「議論はおおむね一致したし、統治機構についてはわれわれが研究していた成果とぴったりのところがあった。農業や外交・防衛については議論にならなかったが、もともと、われわれの考え方は『維新八策』と一致していたので、問題にはならない。ただ、原発政策については、これからまだ議論が必要だ」と述べました。
そのうえで、記者団が「大阪維新の会とはどのように連携していくのか」と質問したのに対し、「7人で考えたい」と答えました。

桜内氏“持ち帰って検討する”

みんなの党の桜内文城参議院議員は、記者団に対し「いろいろと意見も言えたし、逆に聞くことができてよかった。今後の対応は、持ち帰ってみんなで検討する」と述べました。

橋下市長“同じ方向性に向かっている”

討論会のあと、大阪維新の会を率いる大阪市の橋下市長と幹事長を務める大阪府の松井知事は記者会見しました。
この中で、橋下市長は「きょう参加した人たちとは、基本的には、価値観が一致している。同じ方向性に向かっている」と述べました。
また、松井知事は、新党への合流を目指す国会議員への対応について、「国会議員7人とは、ものの考え方や価値観は一致している。7人は、まだ、それぞれ政党に所属しており、あとは、ご本人たちがどういう対応をするかによって、新党が政党要件を満たせるかどうかだ」と述べました。

岡田副総理“出席議員は説明責任を”

岡田副総理は、宮崎市で記者団に対し、大阪維新の会が新党への合流を目指す国会議員らと開いた討論会に、民主党の3人の国会議員が出席したことについて、「身の処し方は政治家自身が決めることなので、覚悟のうえでの活動について、とやかく言うことはできない。ただ、民主党の所属議員ということで支援してくれた有権者に対して説明責任は発生する」と述べました。
また、岡田副総理は大阪維新の会が掲げる政策について、「『維新八策』は、将来の方向性として同意できる部分と同意できない部分があり、憲法改正が必要なものも含まれている。次の衆議院選挙では、4年間で何を実現するのか示すべきだ」と述べました。

町村氏“最初から組むか組まないかではない”

自民党総裁選挙への立候補を表明している町村元官房長官は「大阪維新の会の『志はよし』というところはあるが、具体論になればなるほど、よく分からないところもあり、具体論が出されれば深く考えないといけない。教育分野でも、私は、政治的中立性を担保する教育委員会制度は基本的に今の仕組みでいいと思っており、最初から、大阪維新の会と組むとか、組まないということを決めつけるべきではない」と述べました。

石破氏“スローガンだけでは国政責任政党と言えず”

自民党総裁選挙に立候補する意向の石破前政務調査会長は「『維新八策』には、方向性として賛同できるものも半分以上あるが、それぞれの項目がどういう関係にあるのか、どういう順序で、どういう手法で、どういう法律を出して実現するのかが示されなければ、プロの政治とは言えない。スローガンを掲げるだけであれば、国政に責任を持つ政党とは言えず、有権者を惑わすことになる」と述べました。

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